引きこもりからの脱出~私が就労移行支援に出会うまで
暮らし うつ病出典:Photo by Tyler Franta on Unsplash
私は一昨年から去年までの2年間引きこもりをしていました。しかし今は、就労移行支援事業所に通所しています。今回は引きこもりだった私がなぜ就労移行支援事業所に通所するようになったのか、そこで何を学んだのかをお話していきたいと思います。
引きこもりになるまで
私は、大学生のころ2年間引きこもりをしていました。大学では教育学を専攻しており、教員になるために毎日勉強に励んでいました。大学2年生になると教育実習に向けて同級生の前で模擬授業を行う講義があり、私もしっかり事前に準備を行い模擬授業に臨みました。しかし、教授や同級生からの評価は、「発音がおかしい言葉があり、何を言っているかよくわからない」というものでした。このことが原因で、私は徐々に自信を失っていき、他人と会話する時に内心「この人は私のことを馬鹿にしているのではないか」という不安に襲われるようになり、人間不信になりました。私は逃げるように、学校に行かずに家に引きこもるようになって行きました。
うつの診断と、就労移行支援に出会うまで
引きこもりになった私は、アルバイトを辞めて不安から逃げるように買い物や趣味のゲームにのめり込んでいきました。特に買い物のほうはひどく、アルバイトで稼いだお金だけでなく奨学金でさえも使うほどの買い物依存でした。そして、浪費したことへの後悔で自己嫌悪になり、そのことを忘れるためにさらに買い物をするという、悪循環に陥ってしまいました。そんなある日、私は不意にリストカットしそうになり、このままだとだめだと考え意を決して心療内科に受診することにしました。心療内科での診察や検査の結果「うつ病」だと診断されました。
治療を続けた結果、買い物依存が改善され、身内や仲の良い友人相手だけですが会話ができるようになりました。うつ病が少し改善されたことで、私は「就職をどうしよう」と考えるようになりました。しかし、大学を中退しており最終学歴が高卒だということで悩んでいました。そんな時、「障害者雇用」というもの知りました。障害者雇用は学歴不問の求人が多く、障害についても配慮してもらえるというので、私は障害者雇用で就職しようと考えました。そこで、家族から就活するにあたり進められたのが就労移行支援事業所でした。この時の私は「そんなことよりも早く就職したい」と考えていたことや、初対面の人と話をしないといけないことなどの理由から事業所の見学には消極的でした。しかし、実際に見学に行くと様々な障害を持つ人たちが生き生きとしていたので、「私も通所してみたい」と考えが変わり、通所することになりました。
就労移行支援で学んだこと
私が就労移行支援事業所に通所するようになってから、半年ほど経ちその間、様々なことを学びました。特に重要だと感じたのが「自己理解」の大切さです。通所した当初の私は自己肯定感が低く「自分は何も取り柄のないダメ人間」と考えるなど、元々自分が持っていた取り柄さえ見えなくなっていました。そこで私は、就労移行支援事業所の自己理解のカリキュラムなどで、自分自身を理解出来ているのか確認しようと思いました。すると、自分自身のことを全然理解できていないことを知りました。自分の取り柄や性格はもちろんですが、自分自身の障害についての理解が全然できていませんでした。障害者雇用で就職するには、自分自身の障害特性を理解し企業にどのような配慮が必要か伝えることが重要です。
障害理解はとても難しいことですが、就労移行支援事業所に通所するだけでなく職場体験実習などを通じて少しずつ自己理解を深めていこうと考えています。
私は、大学時代に人と会話することに対する恐怖心から、人間不信になり、やがて引きこもりになりました。ですが、現在の私は就労移行支援事業所に通所して、他の利用者と会話が出来るようになり、自己理解の大切さを学びました。これからも大変なこともあると思いますが、就職に向けて頑張っていこうと思います。
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