心理カウンセリングのすすめ~受診してみた体験談
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不安や悩みを抱えた時、相談先の1つに「心理カウンセリング」があります。
高校時代にうつ病(双極性感情障害)になってから現在まで、心理カウンセリングの受診を続けています。
私が通っていた高校にはスクールカウンセリングの場が用意されており、定期的に通っていました。悩みや不安の解決の助けになり「この治療法は自分に合っている」という実感があったため、高校卒業後、大学でもスクールカウンセリングを利用していました。
社会に出てからのカウンセリング先探し
大学卒業、就職にともない、スクールカウンセリングの受診を止めることになりました。
入社先には産業医などの環境がなく、不安がないとは言えませんでした。しかし、これまでより費用がかかってしまうことへの抵抗感や、環境が変わった慌ただしさもあり、新しい受診先を探すことが後回しになってしまっていたのです。
その後、業務や人間関係のストレスから体調を崩してしまい、退職することになりました。長らく抱え込んでしまった不安や悩みに耐えかねて、再び心理カウンセリングを受診することに決めました。
そこで、いろいろと調べた結果、現在私が通っているのが、大学付属組織による心理相談室です。
大学組織による心理相談室とは
大学付属組織による心理相談室(カウンセリングルーム)とは、その名の通り、各大学に付属した、心理的な問題や、心理的・神経症的な症状に対する援助を行う機関です。
大学院生が中心とした援助となることから、一般の心理カウンセリングよりも安価に設定されています。しかし、院生単独の援助というわけではなく、専門家によるバックアップもあります。私が通っているカウンセリングルームでは、事前面談があり、受け入れ可能と判断されると受診できるようになります。(料金や内容などは各機関によるため、相談時に必ずご確認ください)
カウンセリングを通して、自分自身を整理する
私が、退職せざるをえなくなるまで体調を崩してしまった原因の1つが、相談相手がいなかったことです。話し相手がおらず、日々孤独感が深まっていき、心の扉はすっかり閉じてしまいました。対人緊張が強くなり、安定していた体調も著しく悪化してしまったのです。
しかし、再び心理カウンセリングを受診し始めたことで、目の前の困りごとを相談し、問題解決のための助け舟を出してもらえる相手ができました。それだけではなく、カウンセリングを通して自分を見つめ直す機会をえることができ、自分自身の考え方や性格傾向も整理できるようになりました。視界がクリアになったことで、前に踏み出す力も湧いています。
相談事が苦手だからこそ
私はもともと、人に相談するのが苦手な性格で、不安や苦労を抱え込みやすい傾向にあります。そんな私にとって「ここではなんでも言っていい」という前提に立った場であるカウンセリングルームは、凝り固まった心をほどくには絶好の場所です。また、相手はカウンセラーという肩書きを持った専門家であると思うことで、友人、同僚などといった身近な関係では言いにくいことでも、安心して話すことができます。話すことこそが治療に繋がるという意識も、私の肩の荷を下ろしてくれます。
患者から見た「傾聴」の効果
カウンセリングの技法の1つに「傾聴」というものがあります。相手の話を積極的に聴き、相手を尊重しながら親身になって共感することで、患者が自らの力で治るよう手助けすることを目的としたものです。最近では、カウンセリング以外でも、他者との関係をよりよくするためのテクニックとして、この言葉が用いられる場面がよく見られます。
「傾聴」される患者となって思ったことは、「聴いてくれる」という安心感から誘発される感情の発露が、さまざまな問題解決のきっかけとなるということです。自分の中では結論が出ていると思い込んでいたことでもカウンセラーに話すとなると、言いよどんでしまったり、うまく言葉がでてこないことがあります。そういう時に半ば無理矢理ひねり出した言葉が、自分の悩みや迷いの核心だったりするのです。話すという行為によって、考える、思い悩むこととは違った内省が誘発されるのも、「傾聴」の効果であると実感しています。
カウンセリングという解決方法
悩みや不安の解決方法は人それぞれですが「話すこと」ただそれだけで心のもやが晴れることもあります。方法の1つとして「心理カウンセリング」を選択してみてはいかがでしょうか。
参考文献
【特定非営利活動法人コミュニティ総合カウンセリング協会 大学等が運営する心理相談】
https://www.aacc.jp/
【心理学用語集サイコタム 傾聴】
https://psychoterm.jp