2022年北京冬季パラリンピック~パラアルペンスキーのルールは?

スポーツ

出典:Photo by Alex Lange on Unsplash

北京冬季パラリンピックの種目一覧はこちら

パラアルペンスキーはオリンピックと同じく、滑降(ダウンヒル)、回転(スラローム)、大回転(ジャイアントスラローム)、スーパー大回転(スーパーG)、スーパー複合(スーパーコンビ)の5種目がおこなわれます。

視覚障害の選手はガイドの声や音を頼りにガイドと一緒にコースを滑ります。下肢障害の選手は「チェアスキー」に乗って滑走します。その他にもストックなし、1本のスキーで滑走、義足を使って滑るなど、選手によってさまざまです。

冬季パラリンピックの花形競技であるアルペンスキーについて紹介させて頂きます。

障害によるカテゴリー分け

パラリンピックアルペンスキー競技は、国際スキー連盟(FIS)の規定に準じますが、障害特性を考慮して一部、変更されています。また、コースに関する規定はFISの女子規定が適用されます。

出場する選手は、障害の種類によってスタンディング(立位)、シッティング(座位)、ビジュアリーインペアード(視覚障害)の3カテゴリーに分けられています。

それぞれのカテゴリーでは障害の種類や程度によってクラス分けされ、各選手に係数(バイアスロンと共通)が設けられています。実装タイムにその係数をかけた計算タイムによって順位が決められます。

各カテゴリーにおいて順位が競われますが、カテゴリー内にはさまざまな障がいの選手がいます。そこで、障害の程度に応じた係数を選手ごとに設け、実際のタイムにその係数をかけることで、公平に競うことができます。

アルペンスキー4つの競技内容の紹介

ダウンヒル……最も長い距離を最も速いスピードで滑る種目です。旗門(スキーの回転競技で、選手が間を通過する2本の旗竿)と旗門の間隔は広く、コースによっては大ジャンプも見られます。唯一、公式トレーニングへの参加が義務付けられている種目です。

スラローム……旗門数が最も多く、高い技術が求められます。最短ルートで細かいターンをしようとポールを根元からなぎ倒しながら進む滑走が印象的です。ジャイアントスラローム同様、2本の合計タイムで勝敗が決まります。

ジャイアントスラローム……スラロームとともに技術系種目と呼ばれますが、斜面を滑り降りるスピードとターンの技術を融合した総合力が必要となる種目です。2本の合計タムで順位が決められます。

スーパーG……高速で滑走しながらターン技術が求められる種目で、ダウンヒルよりもターンが多いコースとなっています。レース前のインスペクション(公式のコースチェック)で最速となる滑走ラインを見極めることが求められます。

スーパー複合……スーパーGと回転を1本ずつ同日に滑り、その合計タイムで競います。板も性質も違う2つの種目を滑ることに、この競技の難しさがあります。

競技用具の説明

選手の脚となる「チェアスキー」

車いすのように座って滑ることができるスキー板です。シートは選手それぞれの身体にフィットするように作られています。

シッティングカテゴリーの選手が使用し、時速100kmを超える高速滑走や、雪面ギリギリまで身体を倒したターンなど驚異的なパフォーマンスを実現します。それぞれ選手の障害や身体に合わせて作られたオーダーメイドで、能力を最大限に発揮できるようにチューンナップがされています。

滑走を安定させる「アウトリガー」

アウトリガーとは、脚の障害が重いクラスで使われる先端に小さなスキーが付いているストックで、グリップ部分に付けられた紐で角度を自在に調節できます。/p>

視覚障害者を支えるガイド

「ガイド」とは視覚に障害のある選手に声かけなどをしながら一緒に滑り、コースの誘導を行う、文字どおりガイドする人を指します。ガイドは声(拡声器や無線の使用は可)を使った選手の誘導のみが許されていて、身体的な接触は認められていません。

目の見えない選手のほとんどはガイドの声や音を頼りに滑走します。そのため、ガイドの声を選手に届かせる工夫が必要です。スピーカーや無線機などを活用して声をかけたりしています。

ガイドには、選手を先導できるスキー技術、滑りながら選手に指示を出す的確な判断力など、高いレベルでの競技力が求められます。オリンピック出場経験のあるスキーヤーがガイドを務めるケースもあるほどです。

参考文献

【特定非営利活動法人日本障害者スキー連盟 アルペンスキー】
https://jps-ski.com/

【SPORTRAIT アルペンスキー】
https://sportrait-web.com/index.php

障害者ドットコムニュース編集部

障害者ドットコムニュース編集部

「福祉をもっとわかりやすく!使いやすく!楽しく!」をモットーに、障害・病気をもつ方の仕事や暮らしに関する最新ニュースやコラムなどを発信していきます。
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