ひとりじゃない~就労支援事業所と私の出会い

仕事

出典:Photo by ian dooley on Unsplash

2022年3月に精神科でADHDとASDの診断をされました。そのとき「はたして、このまま今の会社で勤められるのか?」とさえ思えたのです。

その会社に4年以上勤めていたのですが、仕事の内容も難しいこともあり、現場の忙しさゆえに障害者に対して配慮のある会社とは思えませんでした。そこで、診断が下りた次の日にインターネットで「発達障害者の就活」と検索して見つけたのが「就労支援事業所」でした。

就労支援事業所に通うことになった経緯

私は10年ほど前に医療関係の専門学校に通っており、ADHDやASDといった発達障害について勉強していたのですが、就労支援事業所については初めて耳にしたと思います。

就労支援事業所とは、障害のある方の就職訓練・就職活動の支援をおこなう、障害福祉サービスで、最大2年間利用することができます。

最初は「学校みたいなところを長い期間通うのもなあ」とネガティヴな言葉も頭の中をよぎりましたが「発達障害者として、今後どうすればいいのか」身近に相談相手がいなかった不安から、とりあえずホームページに書いてあった近場の事業所に電話を掛けたのです。

その日のうちに面談してもらえると決まり、事業所の所長の方と話をすることになりました。

所長によると「この事業所は発達障害に特化したところで、かつて働いていた方も大勢おられる」とのことでした。

座学の体験も受けたのですが、その後一ヶ月ほど「このまま、現在いる会社を辞めていいのか」と迷うことになりました。会社には発達障害をオープンにして雇用されている社員はおりません。当然、上司も同僚も障害に対してどう対応していいのかわからなかったため、配慮をえることはできないと思い、会社を辞めて両親が暮らす実家の方に移りました。そこから現在通っている事業所に通うことになったのです。

就労支援事業所に通ってから

就労支援事業所の職員のみなさんは凄く優しく感じました。というのも元々いた会社では、気難しい同僚とふたりで作業していたため、常に緊張が続き、失敗すれば激しくを怒られてきました。ですので、余計にそのように感じています。相談事も気兼ねなく話せますし、私のいいところはとても褒めてくれます。

事業所に来てから学んだことのひとつに「セルフケア」があります。思えばセルフケアというものを今まで気にしていませんでした。

しかし、職員に私が「仕事から帰るとそのまま床に寝転がったまま、夜中まで眠ってしまう」と話したところ「集中しすぎて疲労しているのではないか」といわれました。

そういえば、仕事中常に緊張やストレスに心がさらされており、その中で仕事に集中しようとしていたため、自覚していた以上に心身は疲労していたはずです。疲労していたため、思った以上に私の生活を病気が妨げていたことに気付きました。入浴や洗濯、洗い物や掃除を後回しにしていたことからも、そのことがうかがえます。

同じ悩みを抱える利用者さんとの出会い

私が就労支援事業所に通って驚いたことは、同じ障害を抱えている者同士は悩みが似ていることです。就労支援事業所のカリキュラムで障害特性をパワーポイントにまとめて、みんなの前でプレゼンテーションするという課題があります。

その課題で、他の利用者さんの発表を聞くと、ワーキングメモリが弱くて、よく仕事でミスをしたり、不器用だったり、数学が苦手だったり、自分とよく似た悩みを抱えています。

私が診断を受けて障害者だということを受け入れられてよかったのは、自分以外にも同じことで悩んでいる人の存在を知れたことと、その特性から来る悩みを誰かに相談できることです。

まとめ

最初は就労支援事業所に通うかどうか迷っていましたし、今でも時々、自分が障害者だと思うと、気が沈むことがあります。

しかし、自分が障害者だと認めて就労支援事業所に通えたことは、私の障害に対する認識や精神状態にとってプラスになったと思います。

実際、あのまま元の会社に勤めていても、障害や薬の副作用などを誰にも相談できず、会社には何の配慮もされないまま悩んでいたと思います。あのとき障害を認め、就労支援事業所に来た判断は間違いではなかったと思います。

これを読まれている方も、ある日突然、障害があるといわれても戸惑うことの方が多いと思います。ひとりで悩むよりも就労支援を利用して支援を受けながら、前向きに次のことを考えられた方がいいです。

クォーツ

クォーツ

2022年3月にASD、ADHDとの診断を受けて現在、勤めていた会社を辞めて就業支援施設に通っています。文章を書くのが好きで、趣味で小説を書きながら、仕事で活かす事はできないかと思っています。

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