障害年金を受けたいと思っている人々へ
暮らし出典:Photo by Dorné Marting on Unsplash
今年の2月から障害年金を受けられるようになった者です。現在44歳で「障害年金というものがある」ということは20代のときに名前だけ知りました。入院中に病院の貼り紙に書いてあったのを見たのです。
父親に「あの制度って私も受けられるの?」と聞いたのですが「今はそんなこと考えなくていい。治療に専念しなさい」といわれました。今回、私が障害年金を受けられるはずだと教えてくれたのは頼りにしているケースワーカーさんです。
詳しい受給条件はいまだによく分かっていません。受けられる条件は人それぞれのようなので、知りたいと思った人は年金相談センターにいかれるといいと思います。
ここでは、私が受給できるようになってからの「心と生活の変化」に焦点をあてて書いていきたいと思います。
年金を受給するまで
結婚してから専業主婦になった私は、常に夫に負い目を感じながら生きてきました。ちなみに結婚してから今年で11年目になります。統合失調症や社会不安障害を患ってきた私は、うつ病も併発し、苦しい状態で家事や子育てをおこなってきました。
ずっと実家育ちだった私は、家に独りで生活する時間帯が長いということがとても寂しく、家事にも育児にも意欲を持っておこなうことができなかったのです。
また、病気の性質上、子供を預けて働きに出るということもできず、夫の収入から毎月決まった額のお金を預かってそれのみで生活をおこなってきました。
結婚前のまともに働けていた時代のお給料は、将来のことなど何も考えていなかったため、預金はほぼゼロに近かったです。社会不安障害だった私は、服やかばんなどの装飾品を買うときのみ、店員さんと対等に言葉を交わせたので買い物依存症になっていた時期もありました。
その結果、結婚してからは月初にお金を預かるとすぐに買い物にでかけ、高い品物を買ってしまうこともよくありました。そして月末にはお金は残り少なく、毎日の食費をきりつめてなんとか、次の月に持ち越すという生活をしていました。
自分が情けない人間に思え、落ち込むことも多々ありましたが、年金を受け取れるようになってから心に変化が起こったのです。
人のために使うよろこび
障害年金を受けられるようになると、収入をえられないのは自分のせいではなく、病気のせいだと思えるようになりました。そして、社会が認めてくれている制度なので私にとっての"権利"であるとも思えたのです。日々、働いてくれている人々が納めてくれたお金から支給されているものなので、決して無駄づかいをしたいとは思いませんでした。
そして、自分のためだけに使うのではなく、家族や実家の両親や兄、親友のためにも使いたいと思いました。家族には日々の料理の食材を今までよりも充実したものにしたり、外食をしたときも夫だけに頼らず「今日は私がだしておくよ」といえるようにもなったのです。
娘にも、おこづかいが足りなくてどうしても欲しいものがあるときなどに「足りない分だけは出してあげる」と補助的に出してあげることができるようにもなりました。その代わり、決して無駄づかいはしないように、親としてしつけをすることもできるようになってきたのです。
そうこうしているうちに、自分の買い物依存症もだんだんと治っていきました。
預金ゼロだった私ですが、年金をいただけるようになってから、毎回これだけは残しておくという決まりを作りました。老後に夫と共に楽しいお金の使い方をしたいからです。預金があるのと、2か月に1度入金があると思うと心に余裕が出てきました。
夫に寄りかかるだけの人生から、大きく気持ちの余裕を与えてくれた「障害年金」という制度に心から感謝しています。
手続きは何度か年金事務所に通ったり、自分の病気の症状を文章にまとめたりと、人によっては難しいと感じる人もいるかもしれません。そのときは前述のようにお近くの年金相談センターを訪問するといいかと思います。
「自分ひとりでやらないといけないか」と思っていた手続きも、こころよく手伝ってくれます。以前の私と同じような思いをしている人がいましたら、ぜひ一度相談に行ってみてください。少しでも自信を取り戻す糸口になることを祈っています。