書痙(しょけい)とは?〜体が震えて字が上手く書けない私の病気

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私は体が震えて文字が上手くかけない「書痙」という病気に長年苦しまされてきました。そんな私の体験談をお話しようと思います。また、体の震えは字を書く時だけではないためその辺りもお話していこうと思います。

文明の利器と書痙

震えの事を最初に思ったのは小学生の頃でした。この頃の私はまだそんなに自覚は無く、練習すれば上手くなるものだと信じていました。沢山の書き取りに熱心に取り組んだりもしていました。体の震えはこの頃はまだあまりなかったと記憶しています。中学生になった頃、あまりにも汚い自分の字に辟易としていました。そのころに出会ったのがパソコンです。これが私の汚い字に更に拍車をかけることになりました。パソコンで書けば綺麗に字を書ける、読める字が書けると、うきうきしてパソコンに夢中になりました。結果、漢字は読めるが書けない、字は依然汚いまま、という最悪な結果になりました。中学、高校生活はノートを友達にコピーさせてもらい、勉強していきました。今にして思うと堕落しきっていると思います。しかし、その頃の私はPCのおかげで綺麗な文章が作れるからいいや、と思っていたのです。専門学校を情報学科に進んだ私は、ずっとパソコンを触っていられました。文字を書く事なんてなく、試験はマークシート、せいぜい名前を書くくらいでした。

書痙の弊害

そして社会人になった時の事です。「メモがとれない」。大事件発生です。急ぎのメモなんかはもう1分後に見ても思いだせないくらいの震えた汚い字です。上司に「ゆっくりとメモをとらしていただいてもよろしいでしょうか」と伝えても、「早く書けないのか」という返しが待っています。電話応対でメモを取ろうとしても、字が汚すぎて半分覚えながらメモしようとするため、逆にパニック状態です。自分から用件を伝える電話だけだとできるのですが、仕事となるとそれではいけません。パソコンの無い時代に生きていたら、やばかっただろうな、と思います。一応現在は「上司からの連絡をできるだけ読める字でメモして、内容を半分覚えているうちにスマートフォンに書きだす」という小技をつかってなんとかやっていけている状態です。文明の利器、凄いです。

書痙とのつきあいとこれから

この症状が書痙だと指摘されたのは20台半ばの頃でした。当時PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいた私がさりげなく体が震えるという事を主治医に伝えたら、そういう病気があると教えられました。幼少のころからなので先天的なもののようです。力を入れようとすると体が震える、飲み物を飲もうとすると手がぶるぶるする、といったような症状です。ADHDに稀に見られる症状のようです。ADHDと診断された私は「ああ、納得」といった形でした。今のご時世パソコンがあるためこうやって皆さまに情報を共有できますが、私の本来の字でこれを共有しようと思えば、どれだけの原稿用紙を無駄にする事か分かりません。それくらい酷い字になります。

私の書痙に関して困った事といえばメモが取れない事と、昔はパソコンで書く事がなかった履歴書です。初めての就職活動の時は苦労しました。あとは日報等の簡単な報告書、郵便物のあて名書きなどです。今更文字を書く練習をしようと言う気も起きませんし、どれだけ丁寧に書いても文字が歪みます。それならいっそと思って、昔ボイスレコーダーを買って会社に持っていき、怒られた記憶もあります。今までは障害者であることを大っぴらにせず暮らしてきましたが、これからはオープンにしていこうと思ったので、大分気が楽になりました。焦ると余計に手が震えて読めない字になるので、気が楽になった分少しはマシになるかなと。私の書痙との共生はまだまだ続きます。がんばります。

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rusp

ADHDと書痙ジストニア持ちの三十路男性。体を鍛えることと遊ぶことを中心に生活している。ボイスチャット大好きで家に帰ると誰かしらと喋っている。

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