3分で分かる解離性障害

その他の障害・病気
unsplash-logo ian dooley

企業や友人、福祉団体に障害名を告げても中々理解してもらえない障害…解離性障害をもつ当事者がお話していきたいと思います。

聞き慣れない障害「解離性障害」ってなに?

最初に大枠だけ説明すると、解離性障害(かいりせいしょうがい)という大きなカテゴリーの中に解離性同一性障害(かいりせいどういつせいしょうがい)というものがあり、多重人格(たじゅうじんかく)とは解離性同一性障害の昔の呼び方です。また解離性同一性障害はDIDとも呼ばれています。解離性障害には他にも解離性健忘、離人症性障害、特定不能の解離性障害などがあります。なにやらものすごい強そうな字面が並んでいますがザックリ解説していきますね。

WHAT'S? 解離性障害

では、前出の障害を解説していきます。【解離性健忘(かいりせいけんぼう)】はストレスに満ちた出来事の記憶が欠落している状態です。よくドラマで殺されかけた人が病院で目覚めてその時の事を思い出そうとすると、ショックが大きすぎて思い出せない・・・みたいなやつありますよね(笑)イメージ的にはあんな感じです。ただドラマだと「ここはどこ?私は誰?」状態もよく見かけますね。あれは生活史健忘とよばれており解離性障害の一種ではありますが別の診断名となります。

【離人症性障害(りじんしょうせいしょうがい)】は自分の身体から抜け出して離れた場所から自分の身体を観ていると感じる。あるいは自分の感情が感じられなかったり、夢の中にいるように感じたりするものです。

【特定不能の解離性障害】ですがこれまたザックリ言うと上記に当てはまらない解離性障害の人はここにひとまとめです。例えば上記の障害に酷似しているけれど、その診断基準の一部を満たさないもの ―はっきりと他と区別される複数の人格がない、重要な個人的情報に関する健忘が生じていない場合―などです。ちなみに私がここに当てはまります。

私の場合

ザックリとはですが障害の種類や特徴をご理解頂けたでしょうか?ここで私自身のことを一つの例として書いていきたいと思います。といっても当事者の私には記憶が無いのですから家族や主治医から聞いた情報で補足しながら書いていきます。

私の場合は解離する(症状がでる)と小さい女の子になってしまい、その時自分がどこで何をしていたのか分からなくなってしまいます。小さい女の子になるとお散歩に出かけたくなったり(もちろん自分では帰ってこられません)「素敵なモノ見ーつけた!」と、コンクリートのブロック片や道に落ちている空きビン、大きな枯れ枝を拾ってきたりします。小さい女の子になっている間の記憶はなく、症状が酷い時は三日に一回は解離し一日~二日元に戻らないこともありました。つまり一週間のうちの半分ほどは記憶が無い状態だったわけです。そんな状態でまともに仕事など出来るはずもなく生きる苦しみと闘いながら必死に息をしていました。時には酷い頭痛がすることもあり体調も悪化。そんな私の世話をする家族のストレスは計り知れず、元の状態の私には八つ当たりばかりが増えていき、ストレスに耐えかね、また解離するという悪循環でした。

どうすればいいの?

「解離」は、こころの防衛として働きますが、一方で、心が破綻した症状としても現れます。その場合、自然治癒は難しく、治療が必要になります。私も最初はそうでしたが、本人は自分の解離症状に気づいていないことがあります。いきなり何時間も時間が経っていたり、始めは少しの違和感しかありませんでした。何かおかしいと感じたら一人で悩まずお医者さんの手を借りましょう。家族も何かおかしいと感じたら福祉関係機関と連携して対応する事をお勧めします。早寝早起きをしてバランスのとれた食事をとり、ストレスを自分でコントロール出来るようになれば症状は落ち着いてきます。これは解離性障害以外の人にも言えることですが、まずは家族も本人も自分でストレスコントロールが出来るようになりましょう。いくつかのリラクゼーションは自宅で行うことが出来ます。興味のある方は「アンガーマネジメント」や「アサ―ション」「ストレスコントロール」などや「イメージ法、呼吸法、筋弛緩法などのリラクゼーションの方法」を検索してみて下さい。関連書籍が沢山出てくると思います。

まとめ

いかがでしたか?なかなか聞きなれない障害名だと思いますが、なんとなくご理解頂けたのではないかと思います。理解できないから関わらない、関係ないから知ろうとしないのは自分自身の成長も止めてしまいます。障害という枠を超えて関わるために、まずは知って頂けませんか、障害のある私たちの事を…

参考文献

平島奈津子先生に「解離性障害」を訊く 「公益社団法人 日本精神神経学会」
https://www.jspn.or.jp

解離性障害 「ウィキペディアWikipedia」
https://ja.wikipedia.org

sakurako*

sakurako*

高校生の時に不登校になりパニック障害と診断される。その後、紆余曲折あり自閉スペクトラム症・解離性障害と診断を受け就労支援施設B型作業所に通う。
現在は就労移行支援施設に通いながら就職活動中。
趣味は読書と映画鑑賞、手芸。“世界をもっと優しく”がモットー。

その他の障害・病気

関連記事

人気記事

施設検索履歴を開く

最近見た施設

閲覧履歴がありません。

TOP

しばらくお待ちください