パラリンピック・5人制サッカー編~パラ5人制サッカー(ブラインドサッカー)のルールは?

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画像:https://tokyo2020.org/jp

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5人制サッカーとは

ブラインドサッカー(5人制サッカー)が、日本で普及したのは21世紀に入ってからです。国内リーグ戦などを通して、普及・強化が進められてきました。これまでパラリンピック出場まで、あと一歩のところで逃してきましたが、2020年東京パラリンピック開催国として、初出場を果たします。世界的なサッカー人気もあり、出場国も選手の強化につとめていますが、ブラジルが現在、4連覇中です。サッカー強国ブラジルの連覇を止めるチームが現れるのか、注目が集まります。

ブラインドサッカーの大きな特徴

ブラインドサッカーのルールについて簡単に説明します。

①1チーム、4名のフィールドプレーヤー(FP)、ゴールキーパー(GK)、監督、ガイド(コーラー)の7名で行います。

②アイマスクを着用します。全盲と言っても義眼の人もいれば、光を感じられる人まで幅があります。その差をなくして公平にするため、目の上にアイパッチをはり、アイマスクを着用することが義務付けられています。

③ヘッドギアを着用します。選手同士で衝突したり、転倒したりしたときの頭部のケガを予防するために、保護用のヘッドギアを装着します

④コートはフットサルコートを使用します。コートのライン上に1メートルほどの高さのサイドフェンスを立てます。フェンスはまた、選手が触って自分の位置を知る目安にしたり、ボールを意図的に蹴ってバウンドさせ、その跳ね返りを利用してパスしたりする目的でも使われます。またボールは、フットサルボールと同じ大きさです。ボールの中に、金属の粒が入れられていてシャカシャカと音が鳴ります。全盲の選手たちもどこにボールが転がっているかが分かるようになっています。

⑤プレーヤーはボールを持った相手に向かって行く時に、「ボイ!」と声を出さなければなりません。「ボイ(Voy)」とはスペイン語で「行く」という意味です。相手選手に存在を知らせ、危険な衝突を避けるためのルールです。声を出さないとノースピーキングというファールを取られます。

目の見える人の協力

敵陣ゴールの裏に、「ガイド(コーラー)」と呼ばれる役割の人が立ちます。攻めている場面でゴールの位置と距離、角度、シュートのタイミングなどを声で伝えます。例えば「6、40、シュート!」と言っていたら、それはゴールポストから(距離)6m、(角度)40度、(今のタイミングで)シュート!の意味です。

また、GKは*1晴眼者または*2弱視者が務め、自陣での守りについて選手に声で指示を出します。また、サイドフェンスの外側に立つ監督は、選手交代の決定などに加えて、ピッチ中盤でのプレーに声を出します。選手同士の声の掛け合いも含めたコミュニケーションが勝負のカギを握ります。

そのため、観客にもマナーが求められます。選手たちにとっては味方からの指示、ボールの音、相手選手の声が大切な情報です。それを邪魔しないように、プレー中は観客も静かに見ることが求められます。

*1晴眼者(せいがんしゃ)とは、視覚障害者の対義語であり、「視覚に障害のない者」を指す言葉です。*2弱視者とは視機能が弱く、矯正もできないが全盲ではない視覚障害です。

トッププレーヤーのイニエスタ選手も体験

スペシャル動画では、長年FCバルセロナで主力を務め現在もJリーグのヴィッセル神戸でキャプテンとして活躍する名プレーヤー、アンドレス・イニエスタ選手が出演しています。同じアイマスクを付けてブラインドサッカーを体験しつつ収録に臨みました。

メイキング映像ではイニエスタ選手がブラインドサッカーを体験しています。完全に音を頼りにする慣れない環境でもすぐにボールを扱えるようになりましたが、実際のプレーとなると攻守ともに思い通りにいかず四苦八苦していました。しかし、そこは名プレーヤーです。撮影の合間には現役選手に教えを乞うなど、サッカーへ真剣に向き合う姿勢がイニエスタ選手にはありました。

主将の川村怜(りょう)選手をはじめイニエスタ選手との共演に心躍らせる選手ばかりで、撮影は終始和やかな雰囲気のもと進みました。プレーを終えたイニエスタ選手は、ブラインドサッカーの難しさと選手の高い技量を実感したと振り返りました。

知らなければ気付けない

スペシャル動画では「知らなければ気付けない」というフレーズが使われています。パラリンピックは中継や広報が若干緩いためか種目の把握すら完全でない人も多いでしょう。だからこそ、知るきっかけとしてスペシャル動画が収録されたのだと思います。

「驚き」も動画で多く使われたフレーズです。選手たちにとってはサッカーを成立させるにあたって当たり前のことですが、一般人が音だけで成り立つサッカーの存在を知るとまず驚かれるでしょう。「驚き」をきっかけに、障害も健常も関係なく人間とは可能性の生き物なのだと実感してください。限界を決めずに進み続けたアスリートたちの姿がそこにあります。

YouTubeで試合を見た感想

選手のインタビューを聞いて驚いたのが、音はあくまで情報の1つで、音から状況をイメージしながらプレーするそうです。音とイメージは半々ぐらい、もしくはイメージのほうが強いそうです。監督やガイドの声を頼りにプレーすることで、チーム全体に一体感が生まれるそうです。

リオパラリンピックの動画を見て印象に残ったのが、ブラジル代表のリカルド・アウベス選手です。複数の音を瞬時に聞き分け、まるで見えているかのようなボールさばきは、見応えがあります。インタビューで彼は「次回の東京パラリンピックでも金メダルを取ってブラインドサッカーをメジャースポーツとしてもっとたくさんの人に知って欲しい」と語っていました。興味を持った方はぜひ、動画でブラインドサッカーを検索してもらえればと思い、コラムを書かせて頂きました。

参考文献

視覚障害者5人制サッカー - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org

東京2020パラリンピック競技 5人制サッカー
https://tokyo2020.org/jp

障害者ドットコムニュース編集部

障害者ドットコムニュース編集部

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