乙武洋匡さんら4人のアンバサダーを迎え“超ダイバーシティ芸術祭”を日本財団が開催〜個性や才能の色で表現して、マイノリティの理解を広げる

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True Colors Festival-超ダイバーシティ芸術祭

多様性があふれ、皆が支え合う社会を目指した「True Colors Festival-超ダイバーシティ芸術祭-」が、9月から来年7月まで、東京都内を中心に行われます。この芸術祭の記者会見が、8月23日に都内で行われました。

この芸術祭は、2006年「国際障害者芸術祭」として、ラオス・ベトナムで初めて開催し、その後アジア各地で展開。2018年3月には、3日間シンガポールにて開催され、22カ国100名以上の障害のあるアーティストが出演。ハリマ・ヤコブ大統領も招いて、約1万名が参加して盛り上がりました。

そして、今回2020東京パラリンピックに向けて、日本で開催する“超ダイバーシティ芸術祭” では、障害者芸術に限定せず、障害・性・世代・言語・国籍などを超え、みんながともに力を合わせてつくる芸術祭を目指しています。

この芸術祭を主催する日本財団の笹川陽平会長は、「日本財団パラリンピックサポートセンターを立ち上げて、パラリンピックの成功なくしてオリンピックの成功なしというムードで盛り上がってきている。この芸術祭でマイノリティの理解を広め、パラリンピックのチケットを完売させたい。」と挨拶しました。

アンバサダーには乙武洋匡さん、ryuchell(りゅうちぇる)さん、ラブリさん、IVANさんが就任しました。この4人は、障害、性、国籍のマイノリティの当事者でもあります。

IVANさんは「真面目な人を演じる女優魂が出ちゃってトップバッターで緊張した。」と言い、「私は性別や言語、国籍に捉われずに生きている。特にファッションを通じて、色んな人にこのイベントを広めていきたい。」と語りました。

ラブリさんは「自分も表現活動をしているが、いろんな場所で表現していきたい。今は個人が発信できる時代なので、 SNSを使って、私たちの取り組みを共有していきたい。」と話しました。

ryuchellさんは「芸能活動する前は、小さい頃から男なのにメイクすることやジェスチャーが女の子っぽいことをからかわれた。しかし、自分の色を信じてきた結果、大切な人や大好きな仕事にめぐり逢えた。みんなが輝き、キラキラ生きられるよう表現したい。そしてコンプレックスが自信になって、楽しめるようになれば」と自分の過去の体験を交えて想いを語りました。

乙武さんは冒頭に「この並びおかしいでしょう。今をときめくファッショニスタ3人並んで、最後おっさんが出てくるという居心地の悪さ。そこも含めてダイバーシティと捉えてもらえたら。」と自虐を交えて挨拶しました。「マイノリティは、働くことや家族を持つことに障壁がまだまだある。誰もが一緒にやっていくことができる楽しいイベントでのアプローチも大切。人々を包摂していく芸術祭していきたい。」と意気込みを語りました。現在進行している義足プロジェクトについては、「10m歩けるようになった。街中で振り返られることなく歩けることが目標。」と話しました。

このプロジェクトに関わるろうのある方が考案した「True Colors Festival」の手話を披露し、アンバサダーが一緒に挑戦しました。とても素敵で楽しくできる手話で、乙武さんも「手が欲しくなるくらい羨ましい」と絶賛されました。

1年間にわたり、芸術、音楽、舞台など多彩なプロジェクトが企画されています。演者も観客も多様性に溢れた斬新なものにして、人々のマインドセットを変化させて、東京パラリンピックを最高に盛り上げたい、そんな想いが込められています。

イベントの概要ですが、まず最初のイベントとして「True Colors DANCE」が、9月10日に渋谷で開かれます。ダンスグループ「ILL-Abilities(イルアビリティーズ)」が日本や世界のトップダンサーたちとダンスバトルを繰り広げます。ここでは、聴覚障害のある方をはじめ、ダンスが初めての方、子供から大人、女性男性問わず楽しめダンスワークショップ“CONNECTED” も開催されます。“CONNECTED” は、2016年4月、ダンサーのUNOさんと、聴覚にハンディを持ちながらもダンサーやDJ等、精力的に活動するDAICHIさんが発足した「国境、年代、性別やハンディを越えて、”音楽”と”こころ”で繫がる」ダンスプロジェクト。当日は、ストレッチの後にリズムトレーニングや簡単なステップを組み合わせてつなげていき、最後にみんなで踊ります。また、東京都昭島市の少年院でのダンスワークショップも企画されています。

10月22日には、「True Colors BEATS」が、代々木公園で開催されます。アルゼンチンを代表する打楽器ほか多様な楽器の演奏家のサンティアゴ・バスケスをディレクターに招き、言語に頼らないドラム・パーカションのワークショップが開催されます。大友良英さんや水曜日のカンパネラのコムアイさんらも参加し、新しい音楽を作ります。

来年夏のパラ直前には、ハンディキャップのある起業家が集うビジネスリーダーサミットが開かれる予定です。どうすれば障害者が普通に働ける社会になるか、福祉としてではなく経済性の面から考え、2020年東京パラリンピックを契機に、インクルーシブな社会を作っていくことを目指しています。

True Colors Festival
https://truecolors2020.jp/

障害者ドットコムニュース編集部

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