地域に根差した放課後等ディサービス・児童発達支援 サルビアジュニアにインタビュー

発達障害 その他の障害・病気

豊中市、吹田市を中心に展開しているサルビアジュニアは多店舗展開ながら「地域密着型」の放課後等デイサービス・児童発達支援事業を行っています。 そんな地域に根差した事業所であるサルビアジュニアの代表取締役の市橋拓氏にインタビューさせていただきました。

地域密着型の放課後等ディサービス・児童発達支援

──サルビアジュニアが考える「療育」とはなんでしょうか?

私は“障がい”とは個々がおかれた環境や社会の間にある生きづらさだと考えています。 サルビアジュニアの療育は、その環境との間にある課題にアプローチしていくこと。

サルビアの場合、親御様からのヒアリングももちろんですが、多様な専門性をもったスタッフがマンツーマンで丁寧に多面的にアセスメントを行い生徒の課題を把握し個別指導や小集団指導で個に対してアプローチしています。

その子がどんな場面でどんな時にどんな条件が揃うと生きづらいのか、または周囲がその子に対して難しさを感じるのかを丁寧に分析し毎回の授業を通して改善方法や環境調整を試みます。

どういう配慮が必要か、どういう環境調整が必要かということも1対1のマンツーマン授業の中で見えてきます。 そこで得た情報を毎回の授業後、親御様とのフィードバックであったり学校との連携を通して、サルビアの教室のみでできるのではなく、他の生活場面に応用できるように環境に対してもアプローチしていきます。

学校の先生の中には、今までどうやって関わっていいか分からなかったことが、サルビアジュニアから得た情報をもとに、関わり方や声掛け、お友達との関わりへの介入などを変えて、とても良かったというお声をいただいたりするようになってきました。

そうした個と環境へのアプローチを通して一人ひとりが生きやすいように伴走していくのがサルビアの療育の特徴だと思います。

──なぜ地域密着型の支援を展開しているのでしょうか?

顔の見える関係性を築きやすいことがあげられると思います。 教室が近くにありすぎると経営的には生徒を教室間で取り合ってしまうので合理的でない側面もあります。しかし、近くの学校や園との連携を重層的にできますし、地域の商店やNPOさんとの連携もしやすく、サルビアジュニアだけで生徒を支えるのではなく地域の力を借りて子どもたち支えていくことができると思います。

地元のお祭り、子ども食堂や不登校児の居場所づくり、様々な地域イベントに参加し繋がりを作っていくことで、地域の様々な大人たちと一緒に地域の子どもたちを支えていくネットワークを作っていきたいと思っています。

それはかつての地域社会、ムラを取り戻すということではありません。かつての地域社会のシステムは今の社会や価値観にフィットしない部分もあり、それは強制するものでもないと思っています。

私も模索の段階ですが、地域の持つ力の一つとして頼れる場所が増える、ということがあると思っています。子どもが親や学校の先生に相談しにくいことを相談できる近所のお兄ちゃん、ちょっとした悩みや相談を聞いてくれる駄菓子屋や銭湯があるだけで子どもたちは精神的にだいぶ楽になるんじゃないかと。

今私たちがみている子どもたちが大人になり、親元を離れて暮らしても住んでいる地域に子どものころから知ってくれている安心して頼れる人たちに囲まれて複数の居場所につながれるようにしていきたいですね。

──特別に工夫や配慮している点はありますか?

サルビアジュニアの特徴は個別・小集団に特化した個別療育を実施していることです。特に、発達障がい(ASD、ADHD、LD)のお子様の課題や困り感は目に見えづらく、なかなか周囲の人からの理解を得られないことが多いです。本人はとても困っていても、なかなかわかってもらえない、理解をされずに、「サボっている」「不真面目だ」と片付けられてしまい、本当に必要な配慮やサポートを得られていないということは、残念ながらよくあることです。

そこで、サルビアジュニアでは、お子様対して「専門的な視点」から「丁寧に」関わることで、子ども達それぞれ固有に異なる特性を見極め、少しでも困りごとがなくなるために「どんな働きかけが必要か」考えています。 先ほどの話と重複しますが、具体的には「個と環境」の両方へのアプローチです。

私たちは障がいを「生きづらさ」と捉え、その生きづらさを無くしていくためには、「個(本人)の成長や努力」と「社会側(環境)の調整や配慮」の両方が必要だと考えています。近年では「障がいの社会モデル」と言ったりもします。その中で個別療育の良いところは一人ひとりに合わせたプログラムが組めることです。プログラムを組むだけではなく、その子の様子を詳しく観察したり、記録することでその子の困り感もより精度の高い状態で浮かび上がると考えています。しかし、集団の中でのその子の様子をうかがえないのは個別療育の弱みであり、十分でない部分です。そこで弊社は他機関連携でその子の通う学校や保育園などに出向き、学校などとの協力体制を作ったり、保護者様に丁寧に家でのご様子を聞き取ったりしています。加えて、小集団を作って療育することもあります。個別でできるようになった=達成ではなく、集団で困り感が少なくなったこと、般化できてその子の困り感が軽くなったことに意味があると思っています。  

──障害を持つ子どもを取り巻く社会の現状をどう思われますか?

社の理念として「多様性を力に変える社会を創る」を掲げています。これまでは均一で平均的である事が評価される時代でしたが、これからは「人と違う」事が評価される時代に変わっていくし、変わっていくべきだと考えています。今までは「人と違う」ことがハンデになりやすい社会でしたが、近年少しずつ社会の進歩により状況は変わってきました。例えば、自分一人の力では外出できなかった車椅子の人でも、エレベーターがあれば、一人で外出できます。そのように、その人「個人」は変わらなくとも、社会の側の進化や変化により「違い」があっても、社会的に排除されなくなります。多様なバッググラウンドや価値観を持つ人を排除するのではなく、「多様であること」を寛容に受け入れ、その多様さがより良い社会の実現の推進力になる。そんな社会を目指しています。 近年、発達障がいという言葉がよくメディアでも取り上げられるようになりました。先ほどもお話しした通り、発達障がいを持つ子どもの困り事は非常にわかりづらく、社会や集団から排除されてしまうことは今のところ、そう珍しくないのかなと思います。私たちが普段関わる子ども達を見ていると、もちろん個人の自助努力も必要ですが、それ以上に「違い」があっても受け入れてもらえる「寛容な環境」の大切さを身に染みて感じます。サルビアジュニアはこれからもそんな、多様性が力に変わる社会を目指して事業を行なっていきます。

──地域密着型の利点とは何でしょうか?

地域密着型であることの利点は、何よりも子どもや保護者などの地域との関係が近く、子どもの困り感に対して課題にアプローチしやすいことです。現在、大阪府豊中市、吹田市を中心に事業を展開しており、全3教室がありますが、全て自転車で行き来できる距離感に出店しています。単純な営業利益的な側面から見れば教室間の距離は離れている方が良いのですが、あえて近距離に出店しています。子どもの生活圏との距離が近い分、学校や園などとも連携がしやすいです。だからこそ、子どもに寄り添った質の高い支援が提供できています。広く浅く、ではなく「狭く深い」イメージで地域密着の事業を行っています。

──今後の目標はありますか?

事業に関しては、理念にもあるように「多様性を力に変える社会を創る」ために自分たちがどんな事ができるのか、考え、実現していきたいと思っています。言うは易し行うは難し、で我々自身も毎日色々な壁にぶつかりながらも、一つ一つ着実に前に進んでいます。現在は障害児通所支援事業を主に行っていますが、今後は事業の幅も広げたいと考えています。

また、社の方針として「働く人の多様性」も大切にしたいと思っています。我々はこれまでの常識や価値観にフィットさせるのではなく、働く人それぞれの個性と向き合いながら働きやすさを追求しています。スタッフの思いや価値はそれぞれ異なります。それぞれの個性や得意が活きる働きかたを実現できるように、スタッフと会社の目指すものの調和がとれる組織づくりも行なっていきたいですね。

──最後に「療育」に携わる方々に何かメッセージはありますか?

私たちが自戒していることを紹介することにしますね。

これは私が前職で先輩から教えてもらったことですが、指導員の限界を子どもの限界にしないということです。

指導員の引き出しや知識、価値観に縛られて子どもの可能性を閉ざしてしまわないように、様々な方法や新しい知見、違った角度からの価値観を大事に常にアップデートし続けることを私たちサルビアジュニアのスタッフには伝え続けています。

そして私が気を付けていることは自分の“当たり前”の価値観を相手に押しつけ過ぎないことです。

急激に変化する社会の中で私たちが「当たり前」「常識」だと思っていたことはどんどん当たり前ではなくなっています。今の子どもたちが大人になったとき、求められる能力やスキルの多くは今とは変わっています。ついつい目の前のお子様の現在の困り感にばかり目がいってしまうこともあるのですが、意識としてその子がこれから生きていく未来に目を向けてお子様と関わっていきたいと思います。

一つでも参考になれば幸いです。今日はインタビューをありがとうございました。

代表の市橋さんありがとうございました。インタビューを通して児童福祉と地域との関わりの重要性を感じ取っていただけたのなら幸いです。

サルビアジュニアに興味を持たれた方はこちらもぜひ
https://www.i-salvia.co.jp

障害者ドットコムニュース編集部

障害者ドットコムニュース編集部

「福祉をもっとわかりやすく!使いやすく!楽しく!」をモットーに、
障害・病気をもつ方の仕事や暮らしに関する最新ニュースやコラムなどを発信していきます。
よろしくお願いします。

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