ネット民は「職場内カサンドラ」のエピソードに飢えている

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Photo by Maarten van den Heuvel on Unsplash

X(旧Twitter)の「おすすめ」と「トレンド」は頻繁に勘違いされるのですが、あれらは完全に別物です。「おすすめ」はユーザーごとに興味のありそうなトピックをXのAI側が集めたに過ぎず、トレンドの傾向と一致しない場合が多いのです。

ただ、「おすすめ」にしろ「トレンド」にしろ、知的障害や発達障害でXが盛り上がるときは十中八九ろくでもない話題が多いです。「職場内カサンドラ」もまた、そんなろくでもない話題の一つで、匿名コミュニティのはてなブックマークに投稿された「新人にパワハラしていた先輩を通報した結果」が話題となりました。

モンスター新人にメンタルをやられまして…

新人への態度がきつい先輩を追い出したことで、教育係を引き継いだ投稿者が後悔するという記事。その新人は「初歩的な質問を頻繁にする」「何度教えても学習しない」「緊急性のある質問や報告に限って全然してこない」「責任転嫁が多い」「嘘つきで謝罪が出来ない」と散々な有様で、誰に話しても真剣に取り合ってもらえない投稿者は孤独と激務で心身を擦り減らします。

唯一理解してくれたのは、パワハラの汚名を被せて追い出した筈の先輩でした。先輩も投稿者のように、新人教育によって様々な心身症になったそうです。先輩の取り成しで教育係が投稿者から課長へ交代となり、投稿者の心身は平静を取り戻しました。

投稿者は何故あのモンスター新人を採用したのか人事部にそれとなく聞きます。すると、「ああいうタイプはそこそこ入社してくるもので、採用後にトラブルとなるのも珍しくない」「面接では何故か重役からの印象が良かった」「あの新人も部長が独断で採用した」と返ってきました。

更に「正社員として雇用した以上、よほどのことが無いと解雇できないから、打つ手がない」と聞かされ、投稿者は怖気を感じました。「あの新人は自主退職しない限り居座り続ける。仮に左遷しても、その先で誰かが犠牲になる。あれは人間ではなく、他人のメンタルを啜って回る化け物だ」と結び、記事は終わります。

なぜか発達障害と結びつく

以前あった「職場の発達障害に潰される」のnoteに似た話ではありますが、あれと違って本文の中では新人が発達障害だとは断定されていません。何なら「発達障害」の単語すら出ていません。しかし、これを読んだネットのプロファイラー気取りたちは、新人が発達障害であるという前提の反応でプロファイリングごっこをしていました。

「確かに発達障害は特性がハマれば出世するかもだが、定型を差し置いて出世するのは如何なものか」「こういう手合いは、我々定型の時間や労力を搾取する存在である」「明らかに手帳持ちっぽい奴と働いたことあるけど、『共通の敵』が出来たことで寧ろ団結出来ていた」と、好き勝手な語りが続々出てきます。

一方、パーソナリティ障害や聴覚情報処理障害(APD)といった別の障害名を挙げる意見もありました。プロファイリングごっこであることには変わりないのですが、脊髄反射で聞きかじりの発達障害知識に当てはめるよりはマシだと思います。

しかし、創作だろうが大嘘だろうが何でもありのはてなブックマークですらここまで盛り上がれるとは、余程「職場内カサンドラ」の話題に飢えているのでしょうか。もしかしたら、アンチ発達障害界隈にとって一番勇気の出る話なのかもしれません。いずれ闇サイトならぬ「闇自助会」が作られてもおかしくないでしょうね。

余談:海外行けば?

発達障害関連で盛り上がるとき、ほぼ必ずと言っていいほど紛れ込んでくるのが「#国は安楽死を認めてください」です。上向きにならない人生を活かされるくらいなら、国で責任を持って殺してほしいというなんとも身勝手な輩です。

大麻賛成派にしても安楽死推進派にしてもそうなのですが、なぜ彼らは日本での合法化に拘るのでしょうか。既に合法化されている国へ移住すればいいと思うのですが。ふだん反対意見を馬鹿だのカルトだの強い口調で見下す割に、かなり受け身の姿勢です。しかも医療(終末医療・医療大麻)を都合よく引き合いに出して利用するのがなんとも卑怯ですね。

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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