「殺処分」書き込みに賠償を命じる判決。代理人弁護士は「非常に意義のある判決」

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群馬県前橋市に住む重度身体障害の男性に対し、インターネット上の掲示板「5ちゃんねる」で誹謗中傷の書き込みをしたとして、書き込み主に損害賠償を求める裁判がありました。

元々、原告は日常的に介護が必要になったとして、24時間体制の介護サービスを求めて前橋市に行政訴訟を起こしていました。これがニュースとなると、5ちゃんねる内の「ニュース速報+板」でもスレッドが立ち、原告への誹謗中傷が書き込まれていたという流れです。

東京地裁の開示命令によって特定されたのは、「殺処分でいいやん」と書き込んだ東京都の男性と、「生かしておく理由がないなあ、一思いに殺してやれよ」と書き込んだ愛知県の男性です。この2人に対してそれぞれ約196万円の損害賠償を請求する訴えが前橋地裁に起こされ、うち東京都の被告について判決が出ました。

前橋地裁は「原告の生命を著しく軽視するものであり、許される限度を超える侮辱行為であることは明らかだ」として、東京都の被告に96万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。原告の代理人弁護士は「ネット上で安易に誹謗中傷を投稿すると、民事上の責任を厳しく追及される。この流れを明確にした、非常に意義のある裁判だ」とコメントしており、金額よりも責任の追及が法的になされたことを重視しています。

他にも誹謗中傷の書き込みをしていた人は何人かいたのですが、開示請求の段階で一部が謝罪を申し出ています。対応に当たった弁護士は「責任意識が希薄」「障害者への憎しみよりも、面白半分で書き込んでいたようだ」と彼らの印象を語っており、特に何も考えていない割に露悪的な書き込みだけはする軽薄な人間性を示唆していました。

ただ「殺処分」なんて露骨な内容は、中傷としても“三流”ですね。SNS上を見れば、婉曲的な嫌味、自虐を装ったヘイト、寄り添うふりをして悪印象をばら撒こうとする獅子身中の虫と、「中傷ではない」と逃げる余地を残しながら上手に“発散”している人々がごまんといます。言い回しを考えるぶん、抱えている悪意も大きい筈なので、本物の差別主義者には脅しにもならないのではないかと見ています。

参考サイト

ネット上に障害者をひぼう中傷する書き込み 投稿者に賠償命令
https://www3.nhk.or.jp


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遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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