発達障害のある私の自己肯定感の高め方③~「自分に甘い」との境界線は?

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「発達障害のある私の自己肯定感を高め方」について、2回にわたって記事を書いてきましたが、それでも、かつての私のようになかなか難しい人もいると思います。特に「自分に甘い」とどう違うのか、イマイチよくわからない人もいるのではないかと感じています。そこで、今回は「自己肯定感を高める」と「自分に甘い」の境界線について、私なりに考えていることを書きたいと思います。

「自分に甘い人」とは?

まず、「自分に甘い人」と聞いて、どのような人を連想するでしょうか?きっと、約束を守れなかったり、目標を達成できなかったり、我慢ができない人を連想すると思います。何か問題があると、すぐ人や状況のせいにして自分は悪くないと決め込んだり逆に開き直る人に対しても、「自分に甘い人」という印象を抱くでしょう。

これらの人たちの共通点は、ズバリ、「決して立ち止まって自分を振り返らない人」だと思います。「自分を褒める」というより、「まぁいいか」と現状に対して深く考えないタイプの人が、自分に甘いと言えそうです。「頑張りたくても頑張れない」とはまた違うようにも思われます。

「自己肯定」と「自分に甘い」の違いは?

ですから、「自己肯定感を高めよう」と思って、何でもかんでも手放しで自分を褒めてばかりだと、「自分に甘い人」になってしまう可能性があると思われます。では、「自己肯定」と「自分に甘い」は、どこが違うのでしょうか?

例えば、何か目標を立てて行動して、目標が達成できなかったとします。自己肯定感が持てない人なら、できなかったことに焦点を定め、「自分はダメだ」と感じることでしょう。落ち込んで苦しむことで、やる気がなくなることも少なくないように思われます。深く反省することで、何がダメだったか原因を分析したりもするでしょう。それ自体はすごく良いことなのですが、「自分へのダメ出し」に終始してしまい、さらにひどく落ち込んでしまいがちです。それに対して、自分に甘い人だと、自分の中の良かったところだけを見つけて自分を褒めることでしょう。もしくは、「頑張ったし、まぁいいか」と、失敗の分析をしてみることもなければ、手応えを感じることもないケースも考えられます。

では、しっかりした自己肯定感を持とうとしている人なら、どうするでしょうか?まず、目標は達成できなかったけれど、その中でも良かった部分を探して自分を褒めてみるでしょう。自己肯定感を高めるためには、どの部分がどのように良かったか、しっかりと分析することが大事だとわかっているからです。その時点では「自分に甘い人」とさほど変わらないかも知れません。しかし、私の周囲にいるこのタイプの人を見てみると、彼らはそれだけでは終わらせません。目標を達成できなかったことに対しても、しっかりと着目しているのです。失敗についても振り返りますが、それは決して自分へのダメ出しではありません。「ダメだった」と負のベースで考えるのではなく、「今のある程度できている状態から、どうすればさらに良くなるか」と前向きな視点で失敗の原因を分析しているのです。

つまり、「今の自分もOK」と認めた上で、自分の可能性を信じ、もっと成長できるはずだと考えているように思われます。

まとめ

このように考えてみると、「自己肯定」と「自分に甘い」の境界線は、「自分の現状で良いところを見つけられて、そこからさらに成長したいと考えているかどうか」だと思われます。「もっと飛躍できる。自分にはできる」と自分の可能性を信じることこそが、真の自己肯定だと言えそうです。だからこそ、失敗を恐れない勇気を持つことができるのではないでしょうか。

自己肯定感を高め、自らの課題と可能性を見出すことで、冷静に自分を見つめ直せるようになり、しっかりした自己分析へとつながると思われてなりません。

みにくいアヒルのおっさん

みにくいアヒルのおっさん

広汎性発達障害・注意欠陥多動性障害の40代。いつか“白鳥”なれるよう、自分の輝ける場所を求めて、社会復帰への訓練を受ける日々を過ごしています。座右の銘は「諦めない」!

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