森田療法とは?大槻ケンヂをうつ・パニック障害から救った「あるがまま」を受け入れる治療法
エンタメ うつ病 パニック障害・不安障害大槻ケンヂをご存知ですか?
皆さんは、「大槻ケンヂ」と言う人をご存知ですか?ロックバンド 筋肉少女帯のフロントマンにして作家。エッセイや小説、紡いだ歌詞は数知れず。御年51にして今もなお、アニメやアイドル業界に影響を与え続ける、サブカルチャー界の巨人。わたしが最も尊敬しているアーティストの一人です。
この大槻ケンヂ氏、20代後半にバンドを続けるプレッシャーで重度の精神衰弱を患ってしまったのですが、その時彼を救ったのが今回お話しする、森田療法なのです。
森田療法とはなにか
1919年に森田正馬氏によって創始された神経症に対する精神療法です。「あるがまま」を軸とし、全てを受け入れる。神経症の根底にある死の恐怖や不安を受け入れて、よりよく生きようという考え方の事を指します。森田療法では死の恐怖や不安をそのまま認め、そのうえで自然に従った心のありようによって生の欲望をもっと発揮していこうとする考えなのです。
森田療法の治療
自分が心に抱えている不安をそのままにしておく態度を醸成させていきます。そのうえで生の欲望を建設的な行動に転換させ、「あるがまま」という心を育てることにより、不安を乗り越えていくのです。
不安を抱えながらも生活の中で必要な行動を行い、さらに高次の行動へ発展させていく。その上で、どう自分を生かすのかを自分自身で考えていく。人の心の成長を促すことが、治療の最終的な目標となります。
森田療法には二つの治療法があります
①入院療法
日常生活に支障をきたしている状態の方々は、入院療法に適しているといえるでしょう。森田療法では、不安と欲望を否定しません。パニック障害や対人恐怖症でお困りの方、外来で治療を受けたけれど行動できなかった人も入院治療に訪れることがあるそうです。
②外来治療
森田療法の本を読んだり耳で聞いたり体験フォーラムに参加する事で自主学習し、回復につなげることも出来ます。たとえば日記などを利用し、自分に「なにをよくしたいのか」「どのようによくなりたいのか」「よくなったあとはどんな自分になりたいのか」と言う問いかけを重ねます。そうすることで自らを見直し、よりよい未来をつくる足がかりとします。
大槻ケンヂ氏はこの外来治療法によりノイローゼを克服したと著書・『オーケンののほほん日記』で述べており、わたしもそれを見て何度涙を流したか解りません。途中から文体が変わりシリアスになっていく様は、今見ても迫力に満ちあふれたものです。
まとめに
いかがでしたでしょうか。うつや双極性障害、不眠症を患っている方、一度この森田療法をお試しになってみてはどうでしょうか。
参考文献
森田療法の治療方法
http://www.mental-health.org
パニック障害・不安障害 うつ病