本気でミスを減らしたいなら、耳が痛くても読んでください。(『発達障がい~神からの贈り物~』第50回)
発達障害出典:Photo by Laura Fuhrman on Unsplash
『発達障がい ~神からの贈り物~』 第50回 <毎月10日連載>
皆さま、新年おめでとうございます。本年もよろしくご愛読くださいませ。
と言いながら読むのを躊躇うような今回のタイトルで恐縮です。前々回から軽率なミスへの対処法について述べてきましたが、今回はその最終回。軽率なミスに真正面から向き合う方法について述べます。
因みに、今回の方法は正直に申し上げてあまりお薦めしません。前2コラムを読み終えて更に向き合いたいという方向けです。まだの方は是非そちらの方からお読みください。
元巨人軍のエース、桑田真澄氏は実況解説の場で必ず『野球はミスをするスポーツです。そのミスをどうすれば一つでも少なくできるかを日頃から考えて反復練習できる選手が成長できるのです。』と述べられます。
私が生活指導員をしていたときに痛感したことがあります。それは利用者の中で基本をおろそかにする人、反復練習の量が圧倒的に足りていない人、自分の頭で考えようとせずただただ言われたことだけを繰り返す人、こういう人たちが圧倒的に多かった。更にそれらのファクタを兼ね備えておきながら、社会の評価を得ようと安易に考えていることが大多数。そんなことを考えた時に上記の氏の言葉を思い出しました。
話しは一旦逸れますがお付き合いください。私は複数のソフトボールチームに所属していますが、レベルの高いリーグの選手たちは試合前の基礎練習に多くの時間を割きます。勝つこと以上に健康第一と考えて怪我をしないことが優先。その上で気持ちよくプレーしようと各々が心がけていることが伺えます。しかし彼らのプレーは実に質が高い。
一方で未経験者が大多数を占めるチームでは、基礎練習は程々に連係プレーやサインプレーをしたがります。まともに投げる走る打つができないのに、先にすることがあるのでは?といつも疑問に感じます。尤も、それらの高等プレーは何年もの努力を毎日行ってできるものであってそう簡単にできるものではありません。
上記の例をお読みいただけると私の述べたい内容は概ねお解りいただけると思います。就労訓練とは言わばこれらの基礎を本質から学ぶ場であり、それらを素に社会で応用させていくものと思われますが、理解できているのは指導者や経営者も含めてごく少数というのが日本の福祉の現実ではないでしょうか?多くの事業所で基礎訓練を疎かにし、応用に時間を費やしている実例を残念ながら幾つも見てきました。
禅問答ではありませんが、簡単に見えるものほど奥深いと感じることはありませんか?私は日々感じます。どんなものでも基礎はごく簡単に多くの人ができること。しかしその簡単なことの中にある奥深さ、つまりは難しさを見下し疎かにするものこそ軽率なミスを繰り返すものと言えると思いませんか?
実際、このことに気づいてから私自身が基礎としっかり向き合い、多くのことを学びました。相変わらず軽率なミスはやらかしますが、そこから私が疎かにしていたことを気づかされます。今やミスは自身を成長させてくれる先生です。桑田氏が述べたかったこともきっとこのようなことなのかもしれません。そして周囲からも結果的に等身大以上の評価が返ってきているように思います。
今回は特に深い層でお話しができたと思いますがご意見などあれば是非お寄せくださいね。
20:21年が皆さまにとって素敵な1年でありますように、
発達障害