視野が広がるためにすべきこと(『発達障がい~神からの贈り物~』第64回)
発達障害Photo by Clay Banks on Unsplash
『発達障がい ~神からの贈り物~』 第64回 <毎月10日連載>
発達障害の自助会や相談などを経験する上で『視野の狭さ』がキーワードに上がることが多い。『空気が読めない』とほぼ同義語で使われるが、多くの相談を受けたことから私なりに気づいたことなどについて今回は述べていきたいと思います。
『視野の狭さ』と言っても今回のテーマは物理的に目が見える範囲のことではない。(物理的に視野が狭ければ視覚障害の類いと考えるべき。)この場合の『視野の狭さ』は周りの状況にどれだけ敏感か、ということであろう。周りの状況に鈍感であれば空気を読むなんて到底できるわけもない。ではどうすれば敏感になれるのか?
周りにいる視野の広そうな人をしっかり観察してほしい。彼らは普段どんなコミュニケーション取っているのか?きっと彼らは様々な人への気配りがうまいはず。気配りができるのは様々な人の性格や立場などを理解しているからであろう。
私ごとであるが、仕事で初めて複数の部下を持った際に気づいたことがある。部下を持つ責任感の重圧、働かない部下への不満、それまでの上司への不満がブーメランのように帰ってくる恐怖。立場が変わることで見える景色が全く違う。
きっと視野の広い人たちは様々な立場をより多く経験することで視野が広がったのであろう。視野の広さはリーダーに求められる資質の一つ、視野の広い人たちはその資質を買われてリーダーに推薦され更に経験を積んでゆく。
視野の広さとは経験の質と量の大きさと考えられないだろうか?経験を積まないことが視野が広がらない原因ではないだろうか?かと言って資質の低い人がリーダーに推薦されることなど稀である。
では経験を積むために何をすべきか?
私はいずみハッタツ友の会の代表を務めているが、他にも様々なボランティアをこれまで努めてきた。国際交流NPO法人の副理事長を務めたこともある。現在では大阪府と協力して大阪南部を流れる大津川の環境整備を進めるグループの事務局も努めているが、ほとんどが60歳以上のグループで年少の私がグループの情報網の中心を担っている。これは皆が役職の煩わしさから敬遠していたので私から立候補して就いたものである。情報のやり取りの中心を担うことが大変なのは事実であるが、これまで多くの成果を残せ大いに私の経験となっている。
世の中には煩わしさから敬遠されがちな役職がたくさんある。自分の経験値を上げるために積極的に挑んでみてはいかがだろうか?また、そういう姿勢は周りからも称賛されやすい。私のアドレス帳にはこれまで共に歩んできた様々なボランティアグループのメンバーの名がある。この人脈も私の宝物の一つである。
視野の狭さを嘆く者たちに共通する部分として『受け身』『煩わしさやしんどさに向き合わない』が挙げられるように個人的に感じる。
そもそも人類は視野が圧倒的に狭い動物である。無理に視野を広げようとする必要もない気がするが、視野が広くなりたいのなら煩わしいことに積極的に取り組んで見るといいと思うよ。
きっと社会全体が違って見えだすことでしょう。
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