「普通」や「当たり前」とは?発達障害がある人は変わっている人なのであろうか?
発達障害普通の生活、一般常識のルール、人間らしく生きるとよく耳にしますが、当たり前の人生って何でしょうか?小中学校の義務教育を受けて高校や大学に入学して、学歴をしっかり持つ事に価値があり、それが普通の生活と思っている人がほとんどだと思います。さらには、社会人で正社員として社会で活躍して、結婚して家族を持ち、老後も年金暮らしで安定した生き方が一般常識だとやはり感じます。
一方で、発達障害がある人には、社会に適応できずに学校を辞めてしまった人、派遣切りなど無職の人、病院や施設で世話になりっ放しの人が少なくなく、普通の事ができないと思いがちです。最悪の場合、「自分だけダメ…」と劣等感や「どうせ自分なんか…」と恥だとマイナス思考に陥り、自立できなくなる事例も聞いた事があります。
発達障害に関して、何故適応できなくなり、どうやって関係をつくって改善していけばよいか伝えていきたいと思います。
発達障害の種類
発達障害がある人には、下記に挙げるように、特性によって色々な種類があります。
自閉症スペクトラム(ASD)
・自閉症性障害
・アスペルガー症候群
・広汎性発達障害
注意欠陥多動性障害(AD/HD)
・不注意優劣型
・多動性衝動性優劣型
・混合型
学習障害(LD)
・「読む」「書く」「計算する」など能力が極端に苦手
発達障害に見られる二次障害としての症状
人生の転機などでは、大きなストレスにより心身とも不安定な状態になり、様々な反応が生じます。特に発達障害がある人は、健常者に比べて不安などの感じ方の度合いが大きいので、二次障害を発症することが少なくありません。発達障害の反応によって引き起こす二次障害の症状の5つの例を挙げたいと思います。
①身体的症状
食欲不振、睡眠障害、エネルギー喪失、身体のしびれ、体調の悪化
②感情的症状
失望、不安、恐怖、焦燥、罪の意識、憤怒、抑うつ、孤独感、気分の起伏が激しい
③認知的症状
自分を責め付ける、集中困難、現実感の喪失、不眠、トラウマ
④行動的症状
泣き叫ぶ、疲れ果てる、発汗、パニック、自傷行為
⑤社会的症状
引きこもり、依存症、適応障害
二次障害の対処法として、定期的に通院治療やカウンセリングを受け、服薬を含めた体調管理をする人も多いのが現状です。病院では、精神科や心療内科で行われ、精神療法、薬物療法が中心になっています。
症状とわがままとの境界線は何か
発達障害の特性は見た目にわかるものではなく、わがままとみられてしまうケースが多く見受けられます。では、何故わがままであると悪く判断されがちなのか事例を紹介して考えたいと思います。
自分の思いを延々と話す
忙しい状況でも、自分の思いのみを全て伝えようとしてしまい、相手の立場を無視する事につながる。
正直すぎることの逆効果
不安や困っている事をそのまま言葉にして相手に伝えるため、面倒な人と思われやすい。
自分中心の世界
全体を見渡したり、相手の視点に立って考える事が困難なため、自分中心の視点でシナリオを描いてしまう。
大げさな表現
言葉にもこだわりが強すぎて、通常職場など言わないような事でも感情的になって表現してしまい、話がかみ合わなくなる。
以上に誤解が生まれる事例を挙げましたが、自分と周りの人との言動の違いをじっくり観察して、何が足りなくて何ができないのか十分に自己分析して、周りの人に必要な協力を求める事が大事だと思います。ハローワークや障害者職業センターなどの支援機関などを利用するのも有効であると思います。
発達障害の事を客観的にみていくと、自分が当たり前だと感じていたことが、一般社会では当たり前ではないこともあるのだと気づき、受け入れることが大変な時が多々あります。ただ、強すぎた個性を苦しみながらも自分で認めて、「自分らしくなる」と受け入れられるようになって、ようやく楽になっていく気がします。当たり前の本当の意味は、自然体で自分らしいという事ではないだろうかと感じています。
発達障害