発達障害のASDとADHDを併発しています！vol.31　＜毎月1日連載＞

最近はSNSなどで発達障害、とくにASDの差別的な投稿を見かけることが増えました。こういう被害にあったという感想が多いです。それについてたくさんのいいねがついていたりします。診断されていない自称ADHDはいても、自称ASDはいません。それくらいASDと名乗ったところでいいことはありません。私も仕事でピアサポーターをしているから公表していますが、この仕事でなければ発達障害があることを隠していると思います。見た目ではわからないですし、差別の対象になるだけだと思っています。

ASDが差別されるのはどういう特性からか考えてみました。ASDは、自閉症スペクトラムと言って、スペクトラムとは範囲・広がりという意味なので、特性も人それぞれで違います。私がよく思うのは、人によって全然違うのにASDというだけでみんなまとめられてその特性があると誤解されることが嫌だということです。実際、いろんな特性の方がおられます。ADHDとの併発、知的障害のある方、高IQの方、育った環境、二次障害の精神疾患のある方、その精神疾患の特性別でみてもそれぞれ違うと思います。私はピアサポーターを名乗っていますが、わからないこともあります。同じASDの方でも、「そんな考え方するんだ、大変だな」など思うことも多いです。

私がきちんと発達障害と診断されたのは4年前なのでまだまだ勉強中ですが、それまでは親や兄弟と比べてできないことがあまりにも多過ぎると、なんとなく思っていたくらいでした。子どもの頃は劇で主役や、可愛がられた経験もあり、親は期待をして、良い学校に入れたい、たくさんの習い事をさせたいと子育てを楽しんでいました。私が苦手なことが出てきたのは、小学4年生くらいだと思います。算数でつまづき、マラソンの順位が落ちてきたなと焦り出しました。父や家庭教師から勉強を教わったり、近所を走ったり工夫をしていました。弟は学年でも2番目くらいに足が速く、勉強も得意でした。ルックスがとても良く、明るくてクラスや近所でも人気者だったので、家族みんなそんな感じで、自分だけ足を引っ張っているように感じることが増えていきました。

子どもの頃から、興味の対象が狭く、友達よりも家族や飼い犬と遊ぶ方が好きで、宮沢賢治などの童話、テレビの中の可愛いアイドル（特に女性）やファッション、スヌーピーなどのキャラクターに夢中でした。1人で出かけることも多く、怖い思いを何度かしたこともありました。血液型がB型だから変わっているとよく言われていましたが、好きな友達はいたし、遊んでいても楽しかったので孤立するほどでもなかったと思います。近所の子からのいじめがあり、母が悩んでいたのを思い出す時がいちばん辛いです。母は明るくて仕事も家事もテキパキこなすので、友達付き合いも多く、いじめられたこともないので、私が似ていないのはなぜかな？それは楽しいの？とよく言っていました。私は、人からはあまり理解されないんだな、いじめに遭うんだな、ということを学びましたが、いじめてきたり、人の悪口で盛り上がる女性グループ特有の健常者は好きではないし、羨ましくもないなと思っていました。自分の時間が大切で、1人でも好きなことをしていると楽しかったのです。

このことから、ASDの特性が強いと思います。ですが、親からの遺伝とだけは思われたくありません。全く家族にも似ていないし、他の人よりも得意なことが多い自慢の家族だからです。子どもは、遺伝したら困るので産まない選択をしました。私は精神疾患もあるので、まず育てることが難しいのと、母が早くに死別しているので頼れないからです。心配性なので、大切な存在が少しでも怖い辛い思いをするのは想像しただけで耐えられません。飼い犬のお世話も終わったので、今はぬいぐるみと暮らすのと、可愛いキャラクターのミャクミャクの推し活が楽しいのです。

あと、ASDは人の気持ちがわからないことやこだわりの強さなどコミニュケーションの難しさが指摘されますが、私が困っているのは感覚過敏の方です。特に音や匂いや人混みなど耐えられないことが多いです。辛い時は逃げたり1人でいるとホッとします。そういう変わった特性があると、理解されなかったり差別されたりするのもわかるので、ある程度は仕方がないことと思います。ですが、これからも仕事に遊びに楽しく生活していきたいです。

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