身体症状とどう付き合っていくのか~遍歴と対処について 後編

暮らし 双極性障害(躁うつ病)

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前回までは身体症状に悩まされた1年間について書きましたが、今回は「どのように対処したのか」について詳しく書いていきます。

同じような脱力やしびれ、それ以外の身体症状で悩まれている方の気持ちが、少しでも楽になればいいなと思います。 

対処方法を考え始める

絶望してても左半身の脱力としびれがなくなるわけではないので「今できないことをどうしたらできるようになるのか」ひとつずつ考えることにしました。

例えば、カバンや服のファスナーが指で開けれないのであれば、指より力が入る腕で押さえたり、挟んだりして、右手指でファスナーを開けたり閉めたりする。お菓子の袋が開けれないなら、ハサミを使うなどです。

「指に力が入らないならハサミを使うことは普通では?」と思われるかもしれません。ただ、前のような行動は無意識でおこなっていることが多く、いざその状態なると案外思いつきません。

さらに、普段からハサミを持ち歩いていなかったので、ハサミを持ち歩く習慣を身に着けないといけませんでした。「意外にハサミって使うんだな」「あれば楽だな」とこの病気になって気づきました。

このように、さまざまなことを「できない状態から自分でできる状態」にひとつづつしていきました。

現在もこれらの対処方法をおこなっています。今でもできないことが出てきたら、ひとつずつ解決するようにしています。

対処法以上に重要なこと

対処方法を考えることは重要だと思います。しかし、対処方法より重要なのは、他の人に対して「できないことは、できないと伝えること」です。

私は人に頼ることは苦手で、左半身が脱力・しびれ始めてからも、何でも自分でしようとしていました。

例えば、力作業をすることができないのにできますといって、作業が遅くなることがありました。その結果、相手に気をつかわせたりもしました。

そのときに、できないことをできるといったことは、他の人に対して迷惑だと気づきました。今では、力作業は頼むようにしています。その方が、相手に迷惑をかけずにすむと思い、自分の気持ちが楽になります。

発症から2年が経過

しびれは徐々に治まり、一日中電気が流れるようにちくちくとしびれていたのが数日おきになってきました。脱力も少しですが改善され、握力が3kg程度まで回復し、足を引きずることなく歩けるようになりました。

左半身の脱力としびれが始まった時は身体のバランスを保つことも難しく、すぐにこけたりしていたのですが、このころから安定して身体のバランスを取ることができるようになったと思います。

うつ病を含む躁うつ病の症状も少しずつ安定し始めました。しびれが治まり始めたのは、躁うつ病の症状が安定してきたからかもしれません。

発症から3年が経過~現在の左半身の脱力としびれの状態

ようやく、しびれはストレスを感じた時やうつ状態の時だけになりました。どの状態の時にしびれるのか分かり始めたので、対処しやすくなりさらに、しびれ始めると脱力がひどくなるということも分かり、さまざまなことが左半身の脱力やしびれに繋がっているんだなと実感しました。

現在も左半身だけは常に脱力しています。普段の握力は3~5kgなので、発症から2年が経過したときと変化はないです。

ただ、ストレスがかかったり、負担が増えると脱力がひどくなり、症状を発症した当時のような「握力がほとんど0」「左足を引きずるように歩く」「階段がおりにくい状態」になります。

また、自分ではストレスや負担になるようなことはなかったと思っていても、突然左半身の脱力がひどくなるときがあるので「まだまだわからないことがあるな」と、いつも思っています。

それに加えて、ストレスや負担が増えると脱力している期間は長くなります。普段の脱力の状態に戻ったとしても、すぐにひどい脱力状態になり、その状態が1~2か月ほど続くことも最近分かりました。

自分の身体について分からないことがたくさんあります。突然倒れたりすることもあり、そのたびに検査をしていますが、やはり脳に異常はありません。自分自身の症状と向き合うためには「観察し続けること」が一番だと思っています。

ただ、ひとつずつ分かったことを積み重ねていくことは、自分の症状と向き合う上で重要だと思います。

さいごに

現在、身体症状が発症してから4年が経過しました。自分自身を観察し続けて、身体症状と向き合うことで、症状に対する理解が増したと思っています。

さらに、できないことが出てきたときに、できるようになるにはどうしたらいいのか考えることで、さまざまな対処方法を身につけました。

全部できないと悲観的に思うのではなく、少しでもいいのでやってみてください。できることが増えたり対処方法が身についたりすることで、少しですが心が軽くなります。

気持ちの面としては、今も「いつか治るかもしれない」「少しは症状が改善されるかもしれない」と思っています。「絶対に治してみせる」ではなく「改善されたらいいな」ぐらいに軽く考えることで、気持ちも楽になります。

私のように左半身だけ常に脱力したり、しびれたりする症状は珍しいと思います。しかし、コラムを読んでくださっている方の中には、私と同じような症状や私とは異なる身体症状で悩んでいる方もいるかもしれません。そういう方々の気持ちが少しでも楽になればと思っています。

SJ

SJ

4年前にうつ病含む躁うつ病を発症しました。そして躁うつ病発症以降、常時左半身が脱力しています。現在は就労移行支援事業所に通所し、オープンでの就労を目指しています。

コロナが流行る前は、国内外一人旅に行くのが好きでした。
現在、海外に行くことができないので、日々オンラインツアーに参加し、世界各地の遺跡や世界遺産を見て楽しんでいます。

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