自分の困りごとの対処方法~適合することを目指して
暮らし 発達障害 仕事出典:Photo by natsuki on Unsplash
私と同じような特性と困りごとを持っている人に向け、現在通所中の就労移行支援事業所で学んだ対処方法が参考になればと思い、私の生い立ちを含めて、対処方法をご紹介したいと思います。
私の困りごと
私が注意欠陥多動性障害/自閉スペクトラム症の診断を受けたのは2020年8月でした。診断前から発達障害の症状が見られたように思います。
子供時代は言葉の発達が遅く、興味があることに偏りがあり、学校では友人との会話が続かない状態でした。家の中限定ですが気に入らないことがあると、かんしゃくをおこすこともときどきありました。また、不器用な面があり、ハサミを使ってもきれいに切れないことが多く、コマなし自転車を乗ることも人より時間が2~3倍かかり、物事を習得するのも人と比べて遅かったように思えます。
社会人になると、環境が変わりさまざまな困りごとがありました。「報連相で自分の言いたいことを端的に伝えることができない」「仕事が覚られず」「同じ失敗ばかりする」「理解力が乏しい」など、仕事をおこなう上では大変困難がともなうものばかりのものでした。このような状況だったため、自分なりに自分の適正を見定め、長期就労を目指して数回転職を重ねるも、なかなか改善されませんでした。
病院にいくきっかけとその後の対応
前職はCADオペレーター職でしたが、型が決まった物に関しては作図ができていました。経験を重ねるにつれて複雑なものを書くように。商品の納期もタイトになっていきました。それにつれて、記載ミスも増え、複雑な指示内容が理解できなくなってしまったのです。
そのような時期にたまたまテレビで発達障害に関する番組を見て、自分の特性に思いあたるふしがありました。何とか現状を打破したいという思いから病院にいくことにしたのです。
病院で「注意欠陥多動性障害/自閉スペクトラム症」の診断を受けて、これまでなかなかできなかったことの原因がわかり、自分の努力不足だったわけでないことがわかりました。その後、治療を開始し、自分が努力できるところは努力をして現状打破に努めましたが、なかなか改善されず、精神的にも疲労困憊状態だったため退職することとなりました。退職後は、発達障害の方が長期就労できるように訓練してくれる「就労移行支援事業所」の存在を知り、現状打破に向け通所することとなりました。
就労移行支援事業所で学んだこと
通所している就労移行支援事業所は主体性を重んじるところで、自分から主体的に動かざるえない環境下で、実際の職場の雰囲気に近かったことが通所の決め手になりました。通所してこれまで学んだことは3つあります。
1.報連相をするとき、端的に伝えることができるようになった。
研修で仮想業務という研修があります。その研修は期限内に成果物を完成させて、最後にそれをどう作成したのかまた、個人の目標とそれに対する振り返りなどを発表するものです。職員の方から研修中に1日1回報連相してくださいと言われ、報連相をおこないましたが、初めは報告を端的にできませんでした。
その時に職員さんから整理シートを渡され「これを使うと何が言いたいのかがはっきりします」とアドバイスをいただきました。指示通りにしたところ、自分の言いたいことがはっきりし、相手に分かりやすく伝えることができました。今では整理シートを使用して報告するというのが習慣化し報連相で、何を言っているのかわからないということが解消されてきました。
2.指示の内容のズレを解消する方法
私の特性上、指示の内容とその理解にズレがありますが、現在でも1回話を聞いただけでは抜けや漏れがある状態です。
研修を通じて学んだことは、作業状況を見せながら報連相をすることで指示のズレを防ぐというものです。そうすることで職員の方の意図することがわかり、間違ったものを制作することを防ぐことができるようになってきました。どういったものを作っているかを確認してもらうことで具体的なアドバイスをもらえ、相手にも安心感を与えることができると思います。
3.ケアレスミスのチェック方法
誤字脱字などのケアレスミスが多く、間違いを指摘されてきました。特に時間に余裕がなく急いで作業している時は、より間違いが発生しやすい傾向があると、研修を受けて明らかになってきました。自分でもミスが多いということは自覚しているので、念入りに何度も確認しましたが、たびたびミス起こる状況は解消されませんでした。
しかし、7月に施設外実習を受講したとき、そこの職員の方からいくつかケアレスミスのチェック方法を教えていただけました。
1つ目は、1度目と2度目で確認する順番を変更して確認作業をおこなう方法です。具体的には1度目の確認は上から下に向かって、2度目は下から上に向かって、確認作業をするというものです。「同じ順番で何回確認しても、1度目の確認時に間違いがなかった場合は再度確認しても多分大丈夫だろうという意識で、確認作業するので間違いが見つけられない」と職員の方がおっしゃっていました。
確かに私は1度目、2度目の確認も上から下へ確認作業をおこないましたが、確かに間違いの見落としがありました。順番を変えてやってみると勝手が違うので、きちんと確認するように思えました。
2つ目は、声だし、指さし確認をしながら作業をする方法です。「目だけの確認だけでは見落としが多いので、目以外のものを使用して確認すると、より集中して確認作業ができ見落としを減らせる」とのことです。いざやってみると、より細かなところまで見れて見落としが少し減りました。
職員の方から「紹介した方法以外にも確認方法はあると思うので、自分でその方法を見つけてミスしない方法を確立してください」とも言われました。
就労移行支援事業所に戻り、早速いくつか試したところ、私に合っている確認方法は「確認する文字上に定規を当てて、指差しおよび声だし確認をする方法」でした。このやり方で少しづつでありますが、ミスが減ってきたように思えます。今後も精度を上げてミスを減らしていきたいと思います。
まとめ
社会で適合するには指示されたことを期限内に、正確におこなうことが求められます。残念ながら、私は3つのできないことにより、苦労することが多かったように思います。
就労移行支援事業所に通所してその原因がわかり、少しずつ光が見えてきました。自分1人で抱えこまず、誰かに相談してみる重要性も理解しました。
今後は3つの課題を克服し、新たな困りごとが出てきたときは誰かに相談し、克服することで社会で活躍していきたいと思います。
発達障害