強迫性障害になった経緯とその対処法

強迫性障害

出典:Photo by Alexey Fedenkov on Unsplash

私は、自分がしたことを何度も確認してしまう「確認行為」と何度も手を洗い、手を汚したくないと思ってしまう「汚染恐怖」の強迫性障害の症状を持っています。強迫性障害には、他にも種類がありますが、この2つの症状になった経緯と独自の対処法について書いていこうと思っています。

強迫性障害の発症の経緯

私が強迫性障害の症状が出始めたのは、高校1年生のときでした。私の通っていた高校は校則が厳しく、チャイムが鳴り始めたときに自分の席に座っていないと、遅刻扱いになるような学校でした。遅刻を5回以上すると、生徒指導室にいくことになると聞いていたので私は怯えていたのです。そして、教材を家に持ち帰らない人は「自分専用のロッカーに入れるように」ともいわれていました。もし、机の引き出しに入れたままにしたら「机に入れてある教材を処分する」とも。

私は「遅刻をしてはいけない」「忘れ物をしてはいけない」と忘れ物や時間に厳しくなり、確認することが増えていきました。

当時、テニス部に入っていました。しかし、学校生活で確認することが増えたことで、自分だけが少し遅れて練習するようになっていました。

そして高校1年生の秋、事態は悪化しました。クラブの試合があり、突然チームメイトの1人から「試合の話だけど登録は済ましたから君は出れないよ」といわれました。話を詳しく聞くと「練習や学校生活で遅くなっていたから、意見を聞かず君以外の人は、全員試合に出て、それでいいと思った」といっていたのです。

その日の夜、チームメイトの話にショックを受け、強迫性障害の症状がひどくでて、翌日から、しばらく外に出ることができませんでした。学校もしばらく休むことになりました。

ある日、家を出れなくなった私を見て母親が「1回、病院にいこう」といい、とりあえず病院にいってみることにしました。そこで初めて、この症状が「強迫性障害」という病気であることを知りました。

強迫性障害の対処法

病院へいって強迫性障害と知ったその日から、投薬治療と強迫性障害の症状が出たときの対処法を家族と相談して、解決に取り組みました。

はじめは、家族が私に負担にならないように、カバンの中の忘れ物などの確認や、トイレなど、近くにいて助けてくれたり、いろいろな配慮をしてくれました。家族のおかげで心が落ち着き、症状が少しマシになりました。

しかし、1人のときは強迫性障害の症状が出ていたのです。そして、2回目に病院にいったとき、トイレの話になり「時間を計ってみてはどうですか?」といわれ、紙に毎回トイレにかかった時間を書くようになりました。

そのおかげで、確認の要因が何か分かりました。当時、トイレの課題は2つあり、1つ目は拭くこと、2つ目は手を洗うことだったのです。

家族と相談して、1つ目の対処法は、拭く回数を決めることで対策しました。決めた回数よりも多くなりそうなときは、我慢して耐えていました。すると拭く回数が減り始め、辛くなくなっていきました。

2つ目の対処法は、手を洗わないことで対策しました。これは「暴露療法」という治療法で、自分が嫌がっていることをあえてするという治療法です。

私も、はじめは抵抗があり、この治療法をすると、精神的に疲れていました。しかし、やり始めてから約1週間で、手を洗っていないことが気にならなくなり、手を洗うことがあっても、強迫性障害の発症時に比べて手洗いの時間が短くなり、強迫性障害の症状がマシになりました。    

これから

そして、他の確認行為についても家族や病院の医師と相談して、対処法を考え実行し、とりあえず高校は卒業できました。現在は就労移行支援に通っています。ここで資格やビジネスルールを勉強し、就職活動に取り組みたいと思っています。    

最後に

コロナウイルスの流行により、手洗い除菌など、強迫性障害の方は、特に厳しい状況にあると思います。強迫性障害は、完全に治すことは難しいと思いますが、家族や病院の医師との相談うえで、投薬治療や対処法を考え実行することで、症状を楽にできます。

私が実践した対処法が、このコラムを読んでいただいた方に合うかどうかわかりませんが、少しでもお役に立てればいいなと思っております。

猫メロン

猫メロン

高校時代に強迫性障害を発症し、現在も治療しながら、就労移行支援に通い、就職活動中。
趣味はゲーム。運動面では、テニスが得意。

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