自閉症スペクトラム障害~私がこれまでに出会った困り事
発達障害出典:Photo by Norbert Levajsics on Unsplash
みなさんは「自閉症スペクトラム障害(ASD)」という言葉をご存知でしょうか?以前は「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」とよばれていた障害です。主にその場での空気を読めなかったり、相手の意図や考えを理解できず、結果相手に不快な思いをさせてしまうなど、コミュニケーション面で苦労するということが多いです。
一口に自閉症スペクトラム障害といっても、その特性は人それぞれです。今回はASDである私が、今までに出会ってきた困りごとをいくつかお話していきます。
手先の不器用さ
私の場合、幼少期のころから手先がとても不器用で、ハサミやカッターなどの刃物を扱ったり、紐を結んだりするといったことが苦手でした。
小学校高学年のころに蝶結びをする練習したのですが、初めは1度成功させるのに40分以上かかり、小学校の授業1コマ分をほぼ全て使ってようやく結び終わったほどでした。それから反復練習したことで、時間をかけずに結べるようにはなりましたが、やはり他の児童よりも習得に長い時間がかかったように感じます。
ハサミやカッターの扱いについては今でも苦手で、私が左利きであるということも相まって、ハサミに少しでも隙間が空いていたりすると、たちまち対象物を切れなくなります。なのでハサミなど刃物が必要となったときは、両利き用でなおかつ隙間の空いていない比較的新しめの物を使用するようにしています。
この特性は趣味の面でも影響を及ぼしていたりします。私はガンダムやアーマードコアなどSF系ロボ作品も好きなのですが、プラモデルの様な細かなパーツを組み合わせて物を作ったり、作ったものを弄ったりするということも苦手で、自然とSNSなどで他の方が作った作品を閲覧して楽しむようになりました。
言葉の意図の読み違え
これは今年あった出来事なのですが、趣味でRPGのゲームをしている際にほかのプレイヤーの方から唐突に「その装備すごいですね」というチャットが飛んできました。私自身は当初「ゲーム内で使っている武器や防具の性能に関係した話なのだ」と思い、これは絡まれたらまずいと思ってそそくさと立ち去ってしまいました。
後々になって考えてみたら「武具等の性能ではなく、そのときに私がゲーム内アクセサリーで制作した、オリジナルの武器のことについて話されていたのではないか」と気づきました。
今はそういった内容の話が来たときは、とりあえず「それって~のことについてです?」といった感じで質問をするなどして、コミュニケーションでおたがいに語弊が生まれないように気をつけています。
語弊を生まないという点は趣味以外に仕事の面でもとても重要なことです。指示内容の理解にズレがあると、それによって指示と全然違うことをしてしまうという可能性もあります。なので、分からないことがあれば質問したり、内容を忘れてしまいそうだと感じたときはメモをしたりと、正確に仕事を進める上でとても重要な行為となります。
私自身も、最初は指示内容を耳だけで聞いて覚えていましたが、業務をしているうちに内容を一部忘れてしまっていました。それ以降は、忘れてしまいそうと思った内容についてしっかりメモを取り、語弊が生まれないように業務に取り組むようになりました。
まとめ
いかがでしたか?ひと口に障害といっても、それによってどのような特性があるのかは本当に千差万別で、今回話した内容もそのうちの一部でしかありません。人によっては注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)の特性をあわせ持っているという場合もあり、様々な特性が入り混じっているという事も少なくないです。
重要なのは、自分にはどういった特性があり、どのようにして向き合えばその特性とつき合っていけるのかを考え、その上で日々の暮らしを過ごしていくということです。
参考文献
【yomiDr.「ぎこちない」「手先が不器用」発達性協調運動症 同じ動きや声を繰り返す「チック症」…こころの問題と関連することも】
https://yomidr.yomiuri.co.jp/
自閉症スペクトラム障害(ASD)