障害者とヘルパーとの適切な距離感について

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Photo by Ismael Paramo on Unsplash

ヘルパーとは私達障害者にとっては家族と同居している場合でも、一人暮らしをしている場合でも、現在の筆者のように障害者施設に入所している場合でも、切っても切れない関係です。

しかしながら、距離感を間違えるとお互いに親しくなりすぎてしまったり、気まずくなってしまう場合があります。そこで、利用者とヘルパーとの最適な距離感とはどこなのか。筆者の実体験も交えながら読者の皆さんと共に考察していきたいと思います。

≪距離感が遠すぎた場合≫

必要最低限の会話しかしない為にコミュニケーションが十分でなく結果としてヘルパー側が利用者の意図している事を十分に汲み取って行動する事ができず、軋轢を生んでしまう可能性があります。

≪距離感が近すぎた場合≫

筆者の実体験として、過去に昼食代を支払う代わりに時間数を多めに付けさせてほしい、と頼まれたり、職員の愚痴を聞かされたりする場面もありましたが、これらは全て職員と筆者(介護ヘルパー利用者)との距離感が近すぎたがゆえに起こってしまった事です。

当たり前の事ですが職員の愚痴は聞かされて気分の良いものではないですし、昼食代の件に関しても私が直接要求したわけではないです。また、ヘルパー側が善意で半ば強引に奢ったわけであって、その見返りとして「多めに時間数を付けさせてほしい」とヘルパー側が要求している事自体、距離感を見誤ってしまっているとは思いませんか。

他にも、会社が経営難に陥っている現状に対する打開策の提案をあくまでも一利用者に過ぎない筆者に求めてきたり、様々な事がありました。それもこれも全て、ヘルパーと筆者との距離感が近すぎたがゆえに招いた不測の事態だと言う事ができるでしょう。

≪改善策≫

ではヘルパーと近すぎるわけでもなく、かといって遠すぎるわけでもない、最適な距離感を構築し継続していく為に必要な物は何でしょうか。筆者個人としては「ヘルパーはあくまでヘルパーなのであって友達ではない」という意識を念頭に少なからず持っておく事だと思います。

この意識が根底にあるだけでもあくまで自分にとってのhelper=(障害などの特性で自分が行動に移す事が困難な事柄を)助けてもらう為の人だというフラットな見方をする事が可能になります。距離感が近すぎる場合でも、遠すぎる場合でも利用者側がヘルパーとの距離感を注視する事で、ヘルパーとの最適な距離感を保つ事ができるようになります。

確かにこの「あくまでヘルパーは介護者なのであって友達ではない」という考え方は非常に重要な考え方ではありますが、とある障害者団体の方に言われた「ヘルパーをある種道具のように扱うといいかもしれない。ずっとへりくだっていると息が詰まる」と言っておられましたが、この主張は到底納得できません。

気を遣いすぎるのは確かに良くない事ですが、だからといって大前提としてヘルパーである前に尊重されるべき人間なのだから彼ら彼女らに対しても敬意をもって接するべきです。道具のように扱って良いことなどあるはずがありません。

この手の考え方をしているからこそ、いつまで経ってもヘルパーと円滑なコミュニケーションを図れていないのではないか、とさえ考えてしまいます。筆者はコミュニケーションは相手方と双方の敬意のもとに初めて成り立つものであると考えているので。

≪結論≫

今回は障害者とヘルパーの適切な距離感に考察してきましたが、距離感が近すぎてもいけませんし、遠すぎてもいけません。かといって、ヘルパーを侮辱し、道具のように扱う、といったような事は絶対にあってはなりません。

なので、それが必ずしも正しいとは言い切れませんし、個人個人考え方に違いが出て然るべきだと思うのですが、筆者のように「ヘルパーは友達ではなく、あくまで介護者。あくまで雑談程度に留めておいて深い、込み入った話しはしない。しかしリスペクトを持って接する」のように各自ボーダーラインを改めてコミュニケーションを図る事が、ヘルパー、利用者間における最適な距離感構築に向けての第一歩なのではないでしょうか。


【参考文献】

出典:『介護求人ナビ 利用者との距離感は?介護者が離れることで「新たな改善点が見つかるかも| 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」』より
https://www.kaigo-kyuujin.com/

出典:『車イスで入れる美味しいお店 利用者と介護者の「距離感」を、少しマジメ考えてみる。』より
https://spotwalking.com/

出典:『介護の学びマップ 介護福祉士 介護職と利用者で適切な距離感』より
https://manabi-map.com/

ペルシャ猫

ペルシャ猫

一般就労を目指し、PCスキルを磨いています。

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