来たる11月11日（土）、大阪天満宮にて「インクルーシブパレード2023OSAKA」が開催されます。一般社団法人インクルーシブデザイン協会が主催する本イベントは、今回は目が見えない程度の視覚障害者を中心とし、白杖の方の安全を気遣いながら大阪の中心部をパレードします。

このイベントは、障害者ドットコム株式会社が冠スポンサーとして協賛しています。イベントへの参加は無料ですが、11月4日（予定）までクラウドファンディングを実施しており、公式フラッグや出店の権利など、返礼品として提供されるものを受け取ることができます。

昨年の東京での成功に続き、2年目を迎える今年は、作家の乙武洋匡氏が公式アンバサダーを務めます。障害者コミュニティ「凸凹村」が特別協力として参加することになり、乙武氏は村長、障害者ドットコム株式会社代表の川田祐一が副村長を務めています。乙武氏は都合によりパレードには参加できませんが、副村長の川田がパレードに参加し、イベントを盛り上げます。

インクルーシブとは

インクルーシブとは「包含」あるいは「包摂」を意味する言葉です。その言葉を前面に押し出す本イベントは、マジョリティの意見ばかりに偏らず高齢者や障害者といったマイノリティの意見を積極的に取り入れていきました。

インクルーシブデザイン協会は過去に、「5秒で着られるTシャツ」「片側麻痺でも使いやすい鞄」「発達障害でも使いやすいノート」「目を閉じても履ける靴下」などをプロデュースしてきました。あらゆるユーザー層を包含したいという意図が、商品デザインにも表れています。

「ダイバーシティ&インクルージョン」を手っ取り早く実現するには「友達になること」が一番です。その機会として、橋渡しとして本イベントは存在すると思います。

前年に開催された「インクルーシブパレード2022東京」では、車椅子ユーザーを中心に企画されており、彼らの意見を多く取り入れたパレードとなりました。今年大阪で開催されるパレードでは、白杖ユーザー、つまり目が見えないほどの視覚障害を持つ人々が中心となります。このように、毎年異なる障害へ焦点を当てたイベントは世界でも類を見ない試みです。

人の心にアンテナを立てる

「人の心にアンテナを立てる」ことは、パレードを行う目的の一つです。それは、これまで気付かなかった層の人間を知覚できるようになることを意味します。

車椅子ユーザーに焦点を当てた前年のイベント後、「車椅子の人を見る機会が増えました！」という声が寄せられています。ただ、これは車椅子ユーザーを見かけやすくなったのではなく、車椅子ユーザーを「知覚」出来るようになった結果であることは明白でしょう。

今年は白杖ユーザーが中心となり、視覚障害のパラアスリートとも折衝を重ねています。企画段階はビデオ通話などで情報共有をしていますが、ミーティングを重ねていくにつれて、視覚障害者にも伝わるよう口頭で説明する技術が洗練されていきました。

今年のパレードに参加してくれる方々も、きっと白杖ユーザーをより鋭敏に知覚できるようになることでしょう。「見えない世界とはどのような世界か」を知り、思いを馳せることこそが、視覚障害者の願いでもあります。視覚に頼らず別の感覚にも注目してみるといいかもしれません。

当日の予定や出し物

【開催場所】大阪天満宮、扇町公園
【開催日時】2023年11月11日（土）9:30受付開始、10:00スタート
【参加者数】約200名見込み
【持ち物】各種ブラインド体験のため、運動靴でのお越しを推奨しています。
【その他】視覚障害者にも来場しやすいよう、各最寄り駅（南森町駅、大阪天満宮駅、JR天満駅）にボランティアスタッフを配置しています。

当日のタイムスケジュールは以下の通りです。
9:30 受付開始
10:00 大阪天満宮よりパレードスタート
11:00 イベント開始、オープニングアクト
11:30 キッズチア、チア体験
12:00 ランチタイム準備
12:30 実行委員長とパラアスリートによるトークショー
13:30 各種ブラインド体験
17:00 イベント終了

また飲食エリアでは、オーガニックチューハイ、米粉ヘルシーカフェ、もちもち食感クレープなどの幅広いジャンルから出店されます。秋の行楽がてら訪れてみるのもいかがでしょうか。

インクルーシブパレード2023OSAKA
https://inclusive-parade.jp

クラウドファンディングページ
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