強迫性障害を乗り越えて、今私が思う事
強迫性障害出典:https://www.photo-ac.com
筆者(30代女性)は、18の頃、地元を離れ東京へ進学しました。ですが21から22歳の、在学中にうつ気味になってしまいました。その後、就職し、仕事で大きなプレッシャーがかかった27歳の時、ついに強迫性障害が出てしまいました。
分かっているのにやめられない。強迫性障害とは?
強迫性障害は、ある行為が自分でも、つまらないことだとわかっていても、辞めることができない、止まらない状態であり、生活に支障が出てくることを指します。
例えば、鍵のかけ忘れが気になって何度も確認しに家に戻る、ガスの元栓を締めたかどうか気になって仕方なくなり家に何度も戻る、などの症状があります。
一見ごくありふれた行動にも見えるのですが、何度も帰って確認しても、確認した、という認識ができにくいところに問題がある、と言われています。また、患者本人は確認しているにもかかわらず前に進めない事に大変苦痛を感じており、やはり大きな認知のずれが本人を大きく苦しめていることに変わりはありません。
また強迫性障害には、確認行為の他にも、儀式的な行為を行ったり、加害恐怖など、自分が他の人を傷つけるのではないかという不安に襲われるなどの症状があります。
強迫性障害になりやすい性格と発症の原因
筆者は幼い頃から生真面目な性格でした。また、心配しやすい性格でもありました。「~ねばならない」志向が強いタイプで学生時代は優等生だと言われても、社会に出た時に融通の効かない人と言われるタイプでもあったと思います。
強迫性障害は間違えてはいけない大きなプレッシャーのある状況や、不安を大きく感じてしまう状況で発症してしまう事があると言われています。例えば、就職、昇進、結婚や妊娠など、一見すれば喜ばしい状況で、何かの拍子に出てしまう事があるのです。その裏には本人の置かれている状況に対する不安や、緊張などの気持ちを、その行為によって紛らわせているようにも見えます。
必ず良くなる。患者を見掛けたら笑わないで
一見無意味に見える行動の裏に、患者本人の大きな不安がそうさせると書きました。筆者自身もこの障害になった時に無意味な行動をやめられない事と、何度確認しても分からない自分に苛立ち随分苦しみました。その時、私を笑う人もいましたし、辛い言葉をかける人もいましたが、
「間違えたらまたやり直したらいい、何度やり直しても悪い事ではないんだ。」
という言葉を掛けてくれた友人がいました。「私は間違えることを恐れていたんだ。」「間違えることは悪い事ではない。」と考えを変え、以降、間違えたら謝るようにし仕事を進めていきました。そんなことを重ね、仕事をしていくうち、少しずつ図太くなり、30代の今、社会生活を送る中で段々と強迫性障害は見られなくなりました。
繊細だった若い女性も30代となり図太くなったため、症状が見られなくなったのですが、苦しんでいる時、「間違えたらやり直したらいい。」というありふれた言葉を自分にかけてくれた友人には、大変感謝しています。
強迫性障害