特別支援学級と交流学級~綺麗事と厳しい意見、どちらが理解者か

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unsplash-logo Amber Wolfe

だらだらとスマホでTwitterを眺めていると、時々「おっ」と思う面白い(interestingのほう)話題が流れてくる場合があります。何か月か前に「おっ」と思ったのが「支援学級と交流学級」についてです。

とはいえ、「支援学級にするのか」「交流学級はどの頻度で参加するか」など親目線のツイートではありません。件のツイートは「交流学級の生徒」という目線から語られていました。

実際に接するのは専らスクールカースト下位

支援学級の児童・生徒(以下、支援生)が交流学級で授業を受けるなどするとき、主に支援生と接するのは誰だと思いますか?ツイート主によれば、交流学級でスクールカースト下位の生徒が自然と受け持つことが多いようです。スクールカースト上位層は任せっきりで関与せず、のらりくらりと支援生と接するのを避ける傾向が強いです。当番制もないですし。

ツイート主が苦言を呈するのは、交流級におけるスクールカースト上位の態度に関してです。支援生と実際に交流していないにも関わらず、障害者に関する作文で美辞麗句を書き連ねて評価されるのをツイート主は見てきました。実際に接しているのはカースト下位であるというのに、カースト上位は美味しい所だけ持っていくわけです。

リプライでも似た体験をした人が多く見受けられました。「作文を書いただけの子が激賞され、実際に接している自分は『お前もあいつの優しさを見習え』と言われるだけだった。」「職場で障害者の直属なのだが、『お前がしっかり見ておけ!』と怒ってくる人に限って何もしていない。」「実際に接したことのない人に限って綺麗事ばかり言う。」「福祉現場の縮図だな。」

経験があるから厳しい意見が出る

障害者福祉について時々厳しい意見が出ることがありますが、単なるヘイトや差別でない理路整然とした鋭い意見は実際に障害者と長く接した経験者でないと出ません。寧ろ障害者と接した経験の少ないほうが聞こえのいい綺麗事に終始している傾向さえあります。現場思考というか経験値の違いというか、とにかく意識差があります。

例えば、「兄が知的障害者で、両親も高齢だし自分の体力もないから施設に入れたい。」という悩みが届いた場合、答えによって経験の差が出てきます。同じような境遇の人であれば、費用・場所・手続きなど施設に入れる方向で知恵を授けようとします。対して未経験者は「血の通った兄弟だろ!」「自分の都合だけで…兄貴が可哀想だ!」「障害者に対して非人道的だ!本人も望んではいまい!」と質問者が冷血動物であるかのように批判を重ねてくることでしょう。(経験が少なくとも想像力が豊かな人なら前者に寄った考えになるかと思います。)

交流学級のカースト下位は支援生と接する中で、苦労して疲弊して稀に笑い合う経験をします。その中で、「障害者も健常者と変わらず泣いたり笑ったりする。」「障害者はこういう点がガラスの天井に繋がる。」といった実情を学習していくわけです。夢や憶測だけで福祉を語る大人にはならないでしょう。

自分の経験にも合致

件のツイートが目を惹いたのは、自分の経験に合致する部分が多かったためでもあります。中学時代はモロに当てはまりました。クラスがASD+知的の交流学級となっていたのですが、支援生と話をしていたのは毎回同じ顔ぶれでした。私は彼が教室から飛び出したときに追いかけて行ったり班分けで押し付けられるようにされたりした程度の関わりでしたが、無関与ではありませんでした。

大学時代に実習で割と長い間小学校の支援学級を担当したこともありました。担当の児童(こちらもASD+知的)が交流学級に行くとき、こちらが楽になるほど能動的に接してくれた男子がいたのですが、その男子以外で関わってくれた児童は居ませんでした。おまけに、彼もあまりスクールカーストが高いように見受けられませんでしたし。

障害者の親だからこそ綺麗事は言えない

「テキトー母さん」などの著書で知られる立石美津子氏には、今年で19歳になるASD+知的の息子さんがいらっしゃいます。19年も療育に携わっている立場といえます。

立石氏は過去に保護者仲間から、「もう一人産むとしたら、断然健常者がいいよね!」という話を振られたことがあります。著書では「今では『もう一人産むなら、この子がいい。』と思えるまでになった。」と書いている立石氏ですが、この時はシングルマザーという事情もあって何も言い返せなかったそうです。賛同はしませんでしたが、抗弁もしませんでした。

立石氏はブログ記事の中で、「障害を抱える子どもの親は人間として出来上がった立派な人だ」という“幻想”を捨ててほしいと訴えています。「障害を持った子は、天使の子だ!」という慰めについても真っ向から否定しており、「パニックを起こして暴れてもなお“天使”と思っていられるか?」と問うています。この問いは障害者の親でなければ中々出ないでしょう。

実際に障害者と接している人、療育に携わる人、成人した障害当事者こそ、曖昧な綺麗事で終わることは避けるものです。聞こえのいい美辞麗句で障害者保護を謳う人こそ障害や福祉について何も知らないのかもしれません。少なくとも交流学級の世界ではそうなっています。

参考文献

障害児を育てる親は立派な人?
立石美津子オフィシャルサイト|tateishi-mitsuko.com
http://www.tateishi-mitsuko.com

発達障害について
立石美津子オフィシャルサイト|tateishi-mitsuko.com
http://www.tateishi-mitsuko.com

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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