台風で避難するとき、障害者はどうする

暮らし

unsplash-logo Torsten Dederichs

関東地方に甚大な被害をもたらした台風19号。特に千葉県では台風15号の混乱が収まらない中で追い討ちを受けたばかりか同時に震度4の地震まで発生する極限状態となりました。

いずれ何度でも来る天災への対抗策は、日頃から準備を整えておく事以外にありません。その中でも避難経路の構築・把握・シミュレートは、命を守る最終防衛線となります。

災害の避難においては、高齢者や身体障害者など移動に制限のある人が不利となります。東日本大震災におけるNHKの独自調査によれば、移動の自由な人と比べて死亡率が2倍に膨れ上がっていたというデータがあり、大きな課題として今もなお対案が練られ続けています。

来年、早ければ今月末にも発生するであろう大型台風に備え、主に水害からの避難という観点から障害者の避難活動を今一度確認しましょう。

水害避難の定説は「とにかく早めに」

台風やゲリラ豪雨によって短時間で降水量の極めて大きい大雨に見舞われると、川の氾濫や土砂崩れのリスクが劇的に高まります。避難経路の参考として、各自治体のウェブサイトで見られる「ハザードマップ」を確認し、避難先までのシミュレートを行いましょう。川沿いや山沿い以外の危険区域があるかも知れません。

移動の自由が制限された障害者にとって避難を始めるべきタイミングは、「避難勧告」の前段階にあたる「避難準備の情報」が出た時です。同様に「大雨警報」「洪水警報」「氾濫警戒情報」の該当地域となった場合も避難を始めてください。台風の規模によっては警報より先に災害が発生する場合もありますので、自己判断で避難を始めねばならない場合もあります。

「避難準備の情報」で避難を始めるべき理由は二つございます。一つは移動に時間がかかる分余裕をもって非難する為で、もう一つは「避難勧告」だと地域のほぼ全住民が動くため身動きがとりづらくなるからです。

公的支援の手は追いつかない

公的支援策の一環として、各自治体には「避難行動要支援者」の名簿作成が義務付けられ、それを基に支援者と個別避難計画の設定する動きがあります。ところが個別避難計画を完成させるまで容易に行き着かないのが現状です。

原因の一つに支援者の役割過多という問題があります。支援者には避難誘導の役割が課されるのですが、それには多すぎる役割と重すぎる責任がついて回るため尻込みされるのです。自治体によっては高齢者が高齢者を支援したり住民そのものが少なかったりして計画どころではない所もあります。

国は1人の要支援者に対して1~2人の支援者を付ける前提ですが、現実は1人の支援者が数人の要支援者についている状況で、その意味では地域が養護施設化しています。「支援者は安否確認だけでいい」と譲歩して残ってもらい数だけ確保しようと苦心する(それでも目標には遠く及ばない)自治体さえあります。

現状は専門職に頼るしかない

より現実的な対策として、ケアマネージャーや相談支援専門員といった福祉サイドの専門職から支援者を募る自治体もあります。素人同士で善意の助け合いをさせるよりも、技量や知識ともに優れた専門職を活用したほうが実際の避難活動でも失敗しにくいでしょう。

支援者となる専門職の人間にとっては既存の仕事に+αされる形となります。仕事の延長上で個別避難計画を立てられる長所はありますが、ただでさえ多忙なため仕事の追加がしづらいケースも十分想定されるでしょう。避難計画の策定に手当を付けるなど、プロに頼るからには負担軽減やアフターケアも疎かには出来ません。

本人が出来る対策としては地域の防災・避難訓練に参加するほか、挨拶程度の近所付き合いを疎かにしないことも挙げられます。地域の一員として馴染んでいれば有事の際「あいつは無事なのか?」と思われるくらいにはなるでしょう。

首都圏が傷つかないと動かない?

このところ防災意識が急激な高まりを見せており、報道にも過去の台風災害と比べて間断がない状況が続いています。これに対し地方部では、「首都圏が傷ついて初めて台風の重大さを知ったのでは?」という冷たい声もあります。

勿論、地方部の災害に対して報道は行われており、水害だけでも昔は佐用町・近年は鬼怒川と思い当たる例はいくらでもあります。それでも都市部と地方部の格差を感じるのは、災害の実情を訴える現地住民の数に明らかな差が見られるからではないでしょうか。

Twitterでの災害報告の母数はかなりのものであったと推測されます。その中で反省点を「伝えやすい形で伝える」というスキルに長けた人も確率論で言えば多かったのでしょう。伝える能力のある人間が都市部に集中しているならば、地方部ではどのような災害が発生しても正しく伝わらない懸念が生まれます。

人口が少なく、少ない住民も高齢化している地方部は、災害対策ひとつとっても相当な不利を強いられています。中央で定められた推奨ラインに届かないのもむべなるかなといった所でしょう。

参考サイト

災害時の障害者・高齢者の避難 「2倍の死亡率」を繰り返さないためには? - 記事|NHKハートネット
https://www.nhk.or.jp

水害|災害別心がけ|災害時障害者のためのサイト
http://www6.nhk.or.jp

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

その他の障害・病気

関連記事

人気記事

施設検索履歴を開く

最近見た施設

閲覧履歴がありません。

TOP