「なぞり絵」で発達障害の書字や文字認知の改善に
暮らし 発達障害なぞり絵とは?
塗り絵がブームになり、塗り絵の本が沢山出版されています。その中にあって、少し違う角度から日本人の琴線に触れる作品が昨年末に登場しました。それが今回紹介する「なぞり絵」です。なぞり絵は、直線、曲線など色々な線を描くことで絵を描いていきます。発達障害をもつ人の書字の練習の素材として、作業療法にも使われています。今回は、なぞり絵の書籍を2冊ご紹介します。
心やすらぐ仏像なぞり描き(2015年11月)
書籍:心やすらぐ仏像なぞり描き
著者:田中ひろみ
綺麗な模様も良いものですが、仏像の表情や周りを飾る模様には気品やなぜか郷愁さえ感じられます(個人差はありますが)。加えて、黒一色の筆ペンで線をなぞることで、自分の意図にかかわらず、味のある線を生み出すこともできたりします。筆ペンの先に気持ちを集中していると、日々の悩みごとを忘れることもできますし、完成させればちょっとした達成感も味わえます。
心やすらぐ 国宝仏像なぞり描き(2016年6月)
書籍:心やすらぐ 国宝仏像なぞり描き
著者:田中ひろみ
こちらは今年出版された続編です。この仏像のなぞり描きシリーズは、「写仏」と呼ばれる仏画を描き写す行為を、気軽に楽しめるようにしたものです。そもそもの「写仏」自体、昔は仏門に関わる人が修行の一つとして描き写していたものを、庶民が日常生活で描けるようになった時に造られた言葉だそうです。
発達障害の人は、空間の認知が苦手で不器用な人が多くみられます。なぞり絵に取り組むことで、字や形の記憶や地図などの読み取りや書字・描写能力の改善が期待できます。なぞり絵は、リハビリの訓練素材としてもそうですが、どなたでも楽しみながら癒されるものです。書字の練習に、癒しに、なぞり絵に触れてみるのはいかがでしょうか?
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