心因性頻尿はよく考えると生きづらい
その他の障害・病気 暮らし無駄に尿意が激しくなってトイレが近くなる「頻尿」。原因は膀胱炎や冷えなど多岐にわたりますが、中でも注目すべきなのは「心因性」の頻尿でしょう。
心因性頻尿とは、文字通り精神的な原因で引き起こされる頻尿で、電車の中など「トイレに行きたくても行けない」場所や状況ほど却って尿意が増す厄介な特徴があります。そのせいで意識の大半をトイレに奪われるため、場合によっては外出すらままならない「生きづらさ」をもたらすことでしょう。
どの程度で頻尿といわれるかですが、1日に8回以上(夜中は2回以上)のお手洗いが目安だそうです。あるいは回数でなく頻度をみて、主観的に排尿が多いと感じれば頻尿と言えます。
頻尿の数ある原因の一つ
ひとくちに頻尿といいましても多種多様で、膀胱や尿道の異常であったり、糖尿病や高血圧のサインであったり、単なる水分の摂りすぎだったりします。また、時間帯によって昼間頻尿と夜間頻尿に分けられています。心因性の場合は昼間が多く、夜間は稀だそうです。
2015年12月20日に日本医師会より出されたチラシ「健康ぷらざ」によれば、昼間頻尿に悩む人は約3300万人といわれ、目立った病気もないのに頻尿で悩む人さえ多く存在します。そのひとつが心因性頻尿で、膀胱は心理的な影響もまた受けやすくなっています。
本来尿意を催すのは膀胱に一定量の尿が溜まったときですが、ストレスや緊張感で脳が過敏になると膀胱が溜まっていなくても尿意を催してしまいます。改善するにはストレスの少ない環境下に身を置き、膀胱が溜まってから排尿する習慣を取り戻すのがいいそうです。他にも排尿後2時間は尿意を我慢したり括約筋のトレーニングをしたりもします。
また、小便を漏らした経験がトラウマとして残っていると心因性頻尿になりやすいとも言われています。「また漏らしたらどうしよう」という潜在的な不安が逆に尿意をかき立てるからです。
トイレに支配される日常
心因性頻尿の厄介なところは、トイレに行けない状況下に限って尿意が激しくなることです。電車の中や行列の待ち時間など「ここではトイレに行けない」と無意識下にでも思ってしまえばたちまち催してしまいます。逆に自宅などいつでもトイレに行ける環境では尿意も激しくはありません。
このせいで日常がトイレを基準に回ることとなります。映画館のように何時間もトイレに行けない状況は最初から避けてしまいますし、遠出しようにも頻繁にトイレ休憩を挟まないといけなくなります。資格検定なども受けられませんし、バスツアーは迷惑になります。
行動が縛られるだけでなく、大人用おむつを履いたり水分を控えたりと、トイレの機嫌をうかがいながらの生活は非常に窮屈です。
色々と対策は出回っていますが、一度症状が和らいでも後でぶり返すことがよくあり、根本的な対策は難しいのではないかと思われます。なにぶん精神的な要素が強いので、原因を根元から断ちたいならば、認知行動療法からトラウマ治療まで多岐にわたる精神療法へ頼ることとなりそうです。
参考サイト
また、トイレが気になる 心因性頻尿(pdfファイル)
https://www.med.or.jp
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