認知行動療法~自動思考の罠
暮らしつい悲観的に考えて落ち込んでしまう……そんなことはありませんか?
もしかしたら、それは自動思考のせいかもしれません。
自動思考とは出来事に対して事実とは違う解釈をしてしまう思考のことで詳しくは下記に書きますがとてもやっかいなものです。ではその自動思考とは具体的にどういうものなのか?また認知行動療法とはなにかを見ていきましょう。
認知行動療法?
「認知行動療法」についてみなさんは知っていますか?
認知行動療法とは簡単にいえば、考え方を変えてつらい感情を取りのぞくことで、心が軽くなる方法のことです。例えば「仕事で失敗ばかり……私はダメな人間だとおもい」自分を責めてしまうことはありませんか?
そんなときに認知行動療法を少しでも知っていれば、仕事で失敗したとしても気持ちが軽くなるかもしれません。わたしは仕事で失敗すれば、わたしのせいだと思い自分を責めてしまうようなタイプでしたが、認知行動療法と出会って、今はすこし気持ちが軽くなりました。初めは「認知行動療法?なにそれ」と思っていましたが、考えてみればわたしにけっこうあてはまるなと気づきました。
自動思考でつらかったこと
認知行動療法について調べたらでてくる言葉があります。
それが「自動思考」です。自動思考とは、あるできごとに対して、反射的に事実とはちがう考えをしてしまい、自分を苦しめてしまう、やっかいな考えのことです。
自分の例でいうと、仕事でミスを連発し落ち込んで家に帰ったらくたくたで、すぐ寝る生活を送っていました。
やがて「こんなミスを多くする自分はダメ人間だ、情けない」と思い込むようになりました。
そしてある日、会社にいけなくなり、精神科のお医者さんで「適応障害」という診断をもらい、そこではじめて、自分は無理をしていたんだと気づいたのです。
診断を受けてしばらくは「なんで、わたしはそんなにもつらかった」のかわからなかったのですが、思えば仕事以外にも人間関係がそもそもうまくいかなかったり、苦しかったことが多かったと感じます。
親や先生、友達の顔が不機嫌そうだったりすると、顔色をうかがったり気をつかうといったことがよくあったように思います。そのときは「私がダメな人間でつまらない人間だから、私のことがきらいなのか」と人の心情を予測して、ひとりで落ち込んでいたことがありました。
このように、ひとつの出来事で私はダメな人間だとおもいこんでしまうのは「レッテル貼り」といって、頭のなかのイメージで物事を決めつけてしまい、場合によっては、自分がどんどんきらいになる考えです。
ここで「私のことがきらい」だと思うのは「結論の飛躍」といって、根拠もなく勝手に頭のなかでストーリーをつくりあげ、思いこみ、他者のきもちを勝手に飛躍して考えてしまうことです。
「レッテル貼り」と「結論の飛躍」この2つが合体したから、つらい気持ちが湧き上がったのかと思います。それでどんどん深みにはまっていき、適応障害になってしまいました。もしもですが、あのとき、認知行動療法の存在を知っていれば、適応障害にならずにすんだかもしれません。
その自動思考、治せるの?
結論をいうと、治すというより考えを柔らげるといった感じのほうが近いです。認知行動療法はいろいろ種類がありますが、例えば「Aだ」と断定せずに「Aかもしれない」と変えてみたり、いつもの考えが浮かんだら「と思った」と後ろの言葉を変えてみたりといったことが効果的です。
また一度外に出たり、友人へのアドバイスをするつもりで考える、いなければカウンセラーになったつもりで、同じような悩みを持っている人にアドバイスする、といったことが効果的だそうです。
大事なのは、自分の自動思考の考えに自分で気づくことです。なので、普段から日記を書いたり、嫌なことがあったらとりあえず記録することがいいのかなと思います。もやもやした気持ちを紙に書いてあとで見直したりすることで、自分の自動思考がわかったり、スッキリします。
あとは信頼できる人(できればカウンセラー)に「こう思ったのですが、自動思考のなかではどの種類が当てはまりますか?」と第三者に意見をもらうといったことも大事です。(専門の人に聞くのが一番ですが、家族などに聞くなら事前に自動思考の種類を調べたり、本を見せるなどして説明が必要かと思います)
まとめ
結果的に仕事で辛い気持ちになり適応障害にこそなりましたが、自分の考えや自動思考に気付けたのでよかったです。こうやって身をもって経験することで、勉強になることもあるのかと思いました。
最後に、この記事がわたしと似たような悩みをもっている人の助けになれれば幸いです。
参考文献
<<参考文献>> 『今日から使える認知行動療法』 福井至・貝谷久宣著 ナツメ社出版
初版 2018年 5月1日 P56~59、P78~85