感覚過敏を持たれた方への配慮~災害時の避難所にて
暮らし出典:Photo by Orna Alex on Unsplash
障がい者本人が避難所で抱える負担は健常者には計り知れません。この記事を読んで、避難所での負担が少しでも軽減できればと思います。
自分で事前に準備すること
災害が起きて避難すると、電柱や建物が倒れて道路が寸断されていることなどイレギュラーが起こることもあります。事前に避難場所と避難ルートの確認をしておくことが大切です。
また、お住まいの自治体の「避難行動要支援者名簿」にあらかじめ登録しておき、その上で個人でも支援を受ける際の配慮事項も記入し、服薬を必要とする場合はおくすり手帳のコピー等も準備しましょう。そうすることで、避難所で自分の配慮事項や必要なものを伝えやすくなり避難先で過ごしやすくなります。
外出先で災害に遭うこともありえるので、ご家族や学校・会社の知り合いとの連絡手段をあらかじめ決めておきましょう。ご自身が被災した際に避難場所や待ち合わせ場所を家族と決めておくことで安心できると思います。
自分が避難所で心掛ける事
避難所で過ごす際は、なるべく無理をせず自分のリズムで、過ごしやすい環境を確保することを優先してください。もしも、パニックに陥ったり体調が悪くなればすぐに避難所から逃げてください。それは、体が悲鳴をあげているサインです。常に自分の過ごしやすい環境を確保することを意識してください。近くに仲間や知り合いなどがいればその方と過ごすのもよいでしょう。
また、二次障害の発症に繋がることになるので常に自分のリズムを崩さないようにし、周囲のお手伝いやボランティアに無理に参加するのは控えましょう。もし、自宅や地域活動支援センターが使えるのであればそちらで過ごせばストレスも軽減されます。
一般の方に向けて
一般の方は何も感じなくても、感覚過敏をお持ちの方はストレスを感じる事があります。それは人によって異なります。音に敏感でストレスを感じる方もいれば味の好みの違いでストレスを感じる方、周囲の光をまぶしく感じたり気になったりするような方もいらっしゃいます。
また、発達障害や知的障害など周囲の状況をのみ込めなかったり自分の感じる事や考えをうまく表現できない方もいらっしゃいます。そのような方のほとんどは感覚過敏の症状も持ってますのでより一層の配慮が必要です。
その様な障害をもたれた方は周囲の状況が分からなかったり、物事を覚えられなかったりします。周囲の状況が呑み込めない場合は情報量を限定し伝えることで分かってもらうことが出来る場合もありますし、物事を覚えられない場合は文字やイラスト等、視覚化することで覚えやすくなります。
また、状況が頻繁に変化する環境だとどのような状況に置かれるのかを理解しきれないこともあります。その場合は時間をおいて説明することや、ゆっくり丁寧にお伝えすることで落ち着く時もあります。
ただ、これらの配慮は人によって異なるため、それぞれの状況にあわせた臨機応変な対応が求められます。
参考文献
【平成の災害史を振り返って ~「災害弱者」の発見~ - 記事 - NHK】
https://www.nhk.or.jp/
【避難所のユニバーサルデザインに向けた取組ガイドライン(福祉避難コーナー設置ガイドライン)|京都府】
https://www.pref.kyoto.jp/index.html
【発達障害者 つらい避難所 物音、不規則な生活にパニック 行き場失い車中泊|西日本新聞】
https://www.nishinippon.co.jp/
【被災時の知的・発達 障害のある人の支援|日本発達障害連盟】
http://www.jldd.jp/
【災害が起きたら | 発達障害 | 災害時障害者のためのサイト -NHK】
https://www.nhk.or.jp/
【避難所も『誰ひとり取り残さない』 発達障害児らとその家族 対応機運高まりに期待 | 長崎新聞】
https://www.nagasaki-np.co.jp/
【いざというときどうする?感覚過敏の人のための防災対策を当事者で話し合ってみました!|感覚過敏研究所】
https://kabin.life/
【災害時、大事なお薬が持ち出せなかったらどうしよう?|すみれ病院】
http://www.sumire-hosp.com/
【 Ⅰ.障害別のニーズと配慮事項|障害保険福祉研究情報システム】
https://www.dinf.ne.jp/index.html