障害の受容で病気を治す~僕が障害を受け入れられるようになるまで

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出典:Photo by Salman Hossain Saif on Unsplash

僕は大学を卒業して、4月から新社会人になるものだと思っていました。しかし大学卒業前の冬に「双極性障害」と診断され、働くことができる体調でなかったため、内定を辞退し4月から新社会人になれませんでした。当時の僕は内定を辞退した事実を受け入れることができず、自暴自棄になっていたのです。

そんな僕が、精神的に立ち直り就労移行事業所に通所して、現在にいたるまでの経緯を実体験をもとに紹介します。

双極性障害と診断された経緯

僕が始めて精神科に通院してから「双極性障害」と診断されるまで約2年かかりました。最初の診断名は「うつ病」です。

「うつ病」の診断を受けた当時の僕は「うつ病のはずがない」と受け入れることができず「うつ病」と診断した精神科医の先生を酷く憎みました。処方されたお薬を飲んだり飲まなかったり、通院を拒否することさえもありました。

お薬の服用を拒否していた僕ですが、症状が数か月で「うつ病」と診断される以前より活力がみなぎる状態まで回復しました。症状がよくなってからは、通院を完全に辞め、根暗でインドア派だった僕が、人が変わったかのように明るくてアウトドア派に豹変しました。

これは決して症状がよくなったとはいえません。端的にいうならば「躁うつ病」とも呼ばれる「双極性障害」の躁の症状が出ていただけなのです。

大学4年生の冬に「躁状態」から「うつ状態」になったことがきっかけで精神科を受診し「双極性障害」と診断されたことで、根暗でインドア派だった僕の性格が豹変した理由が「うつ状態」から「躁状態」になっていたからだという事が分かりました。

以上が僕が「双極性障害」と診断された経緯です。

双極性障害と診断された当時の心境

「双極性障害」と診断された当時は病名に納得することができませんでした。「うつ病」と診断されたときと同様に精神科医の先生を憎みました。インドア派からアウトドア派に豹変した自分が「双極性障害」の躁状態によって、引き起こされたものであると受け入れるのに苦しんだのです。

また「双極性障害」だと診断を受けた当時の僕は、酷い倦怠感で外出ができないという状況が続いていて、就労できる状況にありませんでした。大学卒業後に正社員登用が内定していたところで週4回のアルバイトをしてましたが、このような体調では、続けられるはずがありません。家族や友人と相談の上、アルバイトを辞めてさらに別の内定先も辞退することとなりました。

「大学を卒業してすぐに新社会人になる」という道が途絶えてしまった当時の僕は、人生が絶望に満ち溢れていて、毎日、希死念慮に苦しみ、ネガティブな発言ばかりしていました。その結果、仲良くしていた友人が離れてしまいました。

ここまで「双極性障害」と診断されたときの経緯と、当時の心境について話しました。病気であることは認めず、大学卒業後すぐに新社会人になれなかったという事実にコンプレックスを持ち、ネガティブな発言ばかりしていました。次の章では、そんな僕がどのようにして「障害の受容ができるようになった」のかを実体験をもとに紹介します。

障害の受容をして症状が良くなった理由

障害の受容ができるようになった理由は、自己分析のPDCAを繰り返したからです。

まず初めにしたことは、精神科医の先生への憎しみを無くして、憎しみを持っていたという事実に反省することです。その結果、通院を続けることに繋がり「双極性障害」の治療を受けることができました。1つの病院に満足いかず、2つ目3つ目と初診を繰り返す行動をドクターショッピングと呼びます。病院を頻繁に変える行動は、診察情報が満足に集まらず、治療が遅れる原因になるので、先生を信頼して治療を進めることを僕自身の実体験からお勧めします。

次にしたことはネガティブな発言を少しずつ減らして、大学卒業してすぐに新社会人になれなかったことへのコンプレックスを無くすというものです。まずは病気の受容から始めました。例えば、僕自身の病気の症状として、不安を感じやすいといったものがあります。これまでの僕は病気の存在を認めていなかったので、不安を感じやすいという症状自体を否定し、自分自身を責めていました。しかし、病気を受容することで、その頻度は少なくなり、不安を受け入れる心構えが少しずつ芽生え始めました。「不安を受け入れられるようになったから、ネガティブな発現は減っていたのかな」と思います。

大学卒業してすぐに新社会人になれなかったコンプレックスについては、「自己理解を深め、職業の適性を見極める為の猶予期間ができた」といい聞かせることで改善していきました。

病気を否定せず受け入れるのは容易なことではありません。病気の治療の第1段階として必要なことは病気の受容ではないでしょうか。受容の後は、ネガティブな発言を減らして未来に希望を持つ努力をすることではないでしょうか。そのように僕は信じています。

参考文献

【ONCOLOGY オノ オンコロジー】
https://p.ono-oncology.jp/support/feeling/

かえで

かえで

就職活動中のストレスが積み重なり、大学在学中の2021年の冬に双極性障害と診断されました。
現在は就労に向けて就労移行支援事業所に通所しています。趣味は温泉とサウナでリラックスすることです。

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