グリーフケアの遅れ

暮らし

Photo by National Cancer Institute on Unsplash

「グリーフ」を大まかに説明すると、親族に限らず大事なものやアイデンティティを失った悲しみを指します。よく想定されるのは、大きな事件や事故の遺族になりますね。そんなグリーフを各々の時間と方法で和らげていくのが「グリーフケア」です。

各自グリーフケアにはペースというものがあり、誰もがスイスイと取り組めるわけではありません。ただ、遅れた分だけ破滅的思考に陥るなどのリスクが高まるのもまた確かです。先日、ある事件の被害者遺族がテレビアニメのシナリオや表現について怒りを露わにしていました。グリーフケアが進んでいない、或いは著しく遅れているモデルケースと言えるでしょう。

グリーフケアが進んでいないと、やがて「どうして自分だけが」という思考に陥ってしまいます。これは悪魔の思考そのもので、自分ばかり苦しんでいるという幻想が周囲への認知を歪めていき、自己中心的で粗暴な行動を招くようになります。最終的に「不幸な自分は、幸せな周囲へ復讐する権利がある」と思い込み、被害者が加害者と成り果てるでしょう。

この「どうして自分だけが」という思考に嵌った人間のひとりが、宅間守です。「なぜ自分ばかりこのような目に遭うのか。自分の苦悩を社会の連中にも味わわせたい。社会へ効率的に復讐するには…弱い子どもを襲うのがいい。小学生を、小学校を狙おう」ある意味多くのグリーフに包まれていたであろう宅間は、このような考えのもと犯行に及んだのでした。

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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