優先座席は誰のもの?
暮らし出典:Photo by Ricky LK on Unsplash
優先座席は大混雑
それはわたしが大好きなラーメンを食べるために電車で移動している日のこと。その電車は、優先座席が車両の端に3席×2組ほど向かい合わせに設置されていました。
電車は満席で、座れない方もチラホラ。この様子を見ている限りでは、コロナ禍も少しだけ光が差してきたかと感じました。
わたしはパニック障害の発作が起きることがあるので「ヘルプマーク」をつけて電車に乗りますが、その日は体調も良かったので立って乗車することにしました。
優先座席にはぐっすり眠った幼児を抱えた方や、とても疲れた様子の会社員風の方が座っていました。すぐそばにはヘルプマークをつけた方が立っておられましたが、席が空いていません。
ほどなくして子連れの方が下車し、ヘルプマークの方は申し訳なさそうに着席されました。
曖昧な表現
優先座席とはとても曖昧な表現であり、正解がわからないものだと思います。
お子さんがぐっすり寝ているのならお出かけで疲れたのでしょう。会社員風の方もまた、大変な業務をなされてお疲れなのでしょう。また、ヘルプマークなどがなくても何らかの疾患を抱えておられるかもしれません。
それが見た目で判断できない以上、この優先座席というシステムはいわゆる性善説のような、利用者の気持ちにゆだねられているものだと感じます。
日本以外の優先座席は?
海外に目を向けると、台湾の電車やバスでは「博愛座」という優先座席があります。
この博愛座という席は日本の優先座席よりもっと強い意味合いを持っています。
妊婦さんやからだの不自由な方、体調のすぐれない方が利用できるのは日本と変わりないのですが、前述のような事情に該当しない方は利用することがなく、電車が混んでいてもその座席は空席になっているのです。
また健康な方が「空いているからいいだろう」といった軽い気持ちで座ってしまうと、テレビのニュースで報道されるほどの悪質な行為とされる場合もあります。
区別の必要性
日本の優先座席と台湾の優先座席、どちらが正しくて優れているのかはわかりません。
ただわたし自身は、部分的な優先座席というものは必要ないのではないかと考えるのです。全ての席が全ての利用者に平等であり、また困っている方がいたら他の人が譲る「全席優先座席」のようなものでもいいのかなあと思います。
自分が障害があるから譲れ!といっているわけではなく、優先座席を区切る意味とは?と考えてしまったりするのです。
参考文献
台湾ZINE「台湾では電車やバスで混んでいても優先座席には座らないのがマナーです」
https://www.fun-taiwanzine.com