味覚障害とは?その原因と治療
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現代病とも言われ、年々患者の増えている味覚障害。生理的な現象、つまり加齢によって起こることはある程度仕方のない部分もありますが、生活習慣、主に食習慣によっておこる味覚障害がとくに若者の間に増えてきています。
味覚障害では、次のような症状が見られます。
症状
・味覚減退、無味症(味がわかりにくくなる、全く味がわからなくなる)
・自発性異常味覚(なにも口に入れていないのに不快な味がする)
・解離性味覚障害(主に甘味だけがわからなくなる※甘味以外の味がわからなくなることもある)
・異味症、悪味症(本来の味と違った味がする、何を食べても嫌な味がする)
以上のような症状が味覚障害では見られます。では、どんな人が味覚障害になりやすいのでしょうか?
傾向
・55歳以上である
・無理な食事ダイエットをしている
・一人暮らしである
・ファーストフードやインスタント食品、コンビニ弁当をよく食べる
・野菜中心の食事をしている
・長期間飲んでいる薬がある
・舌苔が多くついている、または歯磨き時に舌を毎回磨いている
上で述べた様な傾向がある人は、味覚障害になるリスクが高くなるかもしれません。
味覚障害の原因
味覚障害の原因としては次のようなことが考えられています。
・突発性
亜鉛の低下が原因のこともあります。
・薬剤性
抗アレルギー薬や鎮痛・解熱剤など味覚障害の原因となる薬が多くあります。
・亜鉛欠乏症
味蕾の新陳代謝が十分に行われなくなります。
・全身疾患
貧血や消化器疾患のほか、脳梗塞や脳出血、糖尿病など味覚を伝える神経経路に異常をきたす病気があります。
・口腔疾患
ドライマウスや舌炎などがあります。
・心因性
うつ病などがあります。
・加齢
年齢を重ねると味を感じる感覚器の機能が衰えるほか、さまざまな薬を飲んでいることが多いのも原因と考えられています。
味覚の感受性は個人によって差が大きく、年齢や性別、生活習慣、病気やストレスなどの影響を受けやすいと言われています。
味覚障害の治療
味覚障害に関して専門的な検査や治療を受けるには、耳鼻咽喉科が適していると言えるでしょう。味覚外来を設置している病院もあります。ただし、味覚障害と合わせて次のような症状や原因がある場合は受診したほうがよい病院が変わってきます。
・内科
倦怠感、立ちくらみ、のどの渇き、食欲不振糖尿病、肝不全、内分泌機能低下、風邪など
・歯科
口の渇き(口腔乾燥症)、唾液分泌低下、舌炎、舌苔
・泌尿器科
腎不全
・心療内科、精神科
心因性
どの病院を受診してよいのかわからない場合には、まずは耳鼻咽喉科や味覚外来を受診してから、それぞれの症状や原因に適した病院を紹介してもらうとよいでしょう。
治療方法は原因によって変わってきますが、主に次のようなものになります。
・食生活の改善
・亜鉛製剤の服用
・味覚障害を起こす薬を違う薬に変える
・原因の病気がある場合はそれを治す
・唾液分泌低下の場合は唾液分泌促進剤の投与
・カンジダ症の場合は抗真菌剤の投与
・心因性の場合はカウンセリング
以上のような治療が挙げられます。
まとめ
味覚障害は若者であれ、高齢者であれ、自分で気が付いているケースは少なく、家族からの指摘でわかることが多いようです。自炊しなくても、ファーストフードやコンビニなどで手軽に食事ができるようになった現代社会では、味覚障害を引き起こすような食習慣や、乱れた生活をしてないかこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。
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