共感覚とは?文字を見ると色も見える
暮らし エンタメ共感覚とは?
共感覚という言葉をご存知でしょうか。辞書には「ひとつの刺激が、それによって本来起こる感覚だけでなく、他の領域の感覚をも引き起こすこと」と説明されてます。共感覚を表す英語「synesthesia(シナスタジア)」は“感性間知覚”という意味で、脳に存在するいくつかの感覚器官が同時に音や形を感じ取る現象を指します。
例えば、共感覚を持っている人は、文字を見ると色が見えてきたり、味を感じたり、立体的に見えたり、音楽を聴くと色が浮かんできたりするそうです。
文字を見ると色も見える「色聴」
そんな共感覚の中でも、もっとも発生確率が高いのが「色聴(color-hearing)」。ある文字(A・B・Cなど)や単語、音階(ドレミファソラシド)を聞くと必ず一定の色彩感覚が伴う現象、すなわち「音に色を感じる」というものです。
色聴は絶対音感を持つ人に一定の割合で存在するといわれており、ピアニストのエレーヌ・グリモーをはじめ、自ら共感覚者であることを表明する有名人も数多く存在しています。
共感覚は障害ではない
共感覚は日常生活を送る上で問題を引き起こすことがないとされるため障害ではありません。共感覚は、どこかミステリアスでロマンティックな印象がある一方、本人にとっては自分の中の感受性が鋭敏になりすぎて辛いときがあるのでは、と想像しました。それから、筆者は発達障害持ちのため「他の人とは違う自分」に苦しくなってしまうことがありますが、もしかしたら共感覚者の方の中にも同じように思う方がいらっしゃるかもしれません。
共感覚の持ち主の中には、その稀有な特性をプラスに働かせ、映像作品を創作するなどクリエイティブな表現活動をしている方もいらっしゃるそうです。どんな知覚を持っている人であれ、最終的に生きて行くうえで大切なのは、その人が『どう感じるか』でなく『何を感じるか』なのではないかと思います。
参考文献
コトバンク
https://kotobank.jp