精神障害者だけ交通機関の割引が少ないのはなぜ?

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私は常日頃から、精神障害者だけ交通機関の割引を使うことができるところが少ないことに、憤りを感じています。国は障害者の枠組みを身体、知的、精神共に同列にし、区別しないと言っているくせに、まだまだ精神障害者だけを区別していると思います。その一つが交通機関の割引です。今回は私なりの見解をお話しようと思います。

身体・知的障害者のみ割引

私は昔、引きこもりでした。やっと外に出られるようになって、今は就労支援事業所にも通えていますが、そうなってくると街中やホームページでよく見かける「障害者割引」に「精神障害者」が含まれていない事に違和感を感じるようになりました。「障害者割引あり」と表記されていても詳しく聞いてみると「身体・知的障害者のみ」の事が非常に多いのです。私はパニック障害も持っていて、昔は電車やバスに全く乗れませんでした。なので自宅が田舎だったこともあり、どこでも車で移動していました。車での移動は思っているよりもお金がかかります。例えば、ガソリン代、駐車場代、メンテナンス代はもちろんですが、移動に時間がかかると体調を崩してしまい、自力で帰れなくなることもあるので時には有料のトンネル代、高速代も必要になります。そんな時はやトンネル、高速代だけでも割引してもらえれば助かるのにな、と思うのです。

そもそも法律では障害による差別を禁止しています。障害の区分によって割引を受けられたリ受けられなかったりするのはおかしいと思うのです。 誤解のないように申し上げておきますが、私は身体障害者の方と知的障害者の方を批判したいわけではありません。ただ、身体障害者の方や知的障害の方は優遇措置を受けられるのに、数駅ごとに降りて休憩しなければならない環境の人には何の配慮もないのか?という事を言いたいのです。ヘルプマークをつけて毎日電車に乗っていても席を譲って下さる方は殆どいませんし、優先座席でさえ座れることは稀です。経験上、そもそも優先座席に座っている人ほど譲って下さる方は少ないです。身体障害者の方は車いすで行きにくいところがあれば、段差を無くして貰ったり、スペースの広いトイレを作ってもらうことで行動できる範囲が増えますが、精神や発達障害者は配慮が欲しくても言い出しにくく、言っても、配慮を受けにくい事が非常に多いのが実状です。

精神障害者にもに割引を

精神障害者や発達障害者の場合は見た目が普通に見える分、必要な配慮が見えにくい事が多々あります。その分配慮を他人に求めるのではなく、自己対処で解決しなければならないことが多いのも事実です。パニック障害ではそもそも電車やバスに乗れない、乗っても配慮を受けられない環境なので自己対処として「車」という交通手段を使っている訳です。

社会に溶け込もう、一生懸命働こう、どうすれば社会の役に立てるだろうか?そう考えながら、充分な配慮を受けられずに働く人たちの多くは非常に薄給です。そこに交通費で普通の人と同じ、もしくは、より多くの出費が求められた場合果たして自立ができるでしょうか?私は就労支援事業所に通う内に、自立したい、スキルアップしたい、もっと社会の役に立ちたいと思う気持ちがどんどん大きくなっていきました。その時に必ずお金の問題は付いて回ります。そういう場合は精神障害者への割引は必要な「配慮事項」となるのではないでしょうか?

まとめ

国の社会保障費が年々増大している昨今、さらに障害者福祉を充実させるのが難しいのは分かります。しかし、社会の福祉を悪用するひとたちもいます。その様な問題を先送りにし、労働、納税の意思があるけれど一人では成し遂げるのが難しい人を助けない日本の制度はおかしいと私は思うのです。

各種の障害者割引を項目ごとにまとめていますのでご参考にしてください。

障害者割引一覧~障害者割引を使ってお得に生活しよう!

sakurako*

sakurako*

高校生の時に不登校になりパニック障害と診断される。その後、紆余曲折あり自閉スペクトラム症・解離性障害と診断を受け就労支援施設B型作業所に通う。
現在は就労移行支援施設に通いながら就職活動中。
趣味は読書と映画鑑賞、手芸。“世界をもっと優しく”がモットー。

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