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支援者のさじ加減で利用する障害者支援施設が決まってしまう?
支援者のさじ加減で利用する障害者支援施設が決まってしまう?
厚生労働省の社会福祉施設調査によると、障害者の就労支援事業所は2008年に3662か所だったのが、2014年には13307か所になり、右肩上がりに増加しています。しかし、多くの福祉サービス事業所はホームページを持っておらず、情報が少ないのが現状です。
弊社が障害福祉サービス利用中の130名にアンケート調査したところ、インターネットで事業所を見つけた方は8名にとどまりました。67%の方が自治体・相談機関・学校等の支援者の紹介で、9%が家族や友人・知人から情報を得ています。また、自分で事業所を選んだのは
65%で、20%は支援者、14%は家族が選んだと回答しています。
他に候補はありましたか?という問いには、他に候補はなかったが53%で最も多く、1か所が15%、2か所が10%で、3か所以上あったのはわずか4%でした。
利用を決めた理由(複数回答可)は、「通いやすい場所である」が35%で最も多く、次いで「やりたい仕事・活動ができる」28%、「スタッフの性格や対応が自分に合っている」
25%、「事業所の雰囲気が良い」23%、「本人に合わせてしっかり支援してくれる」22%が上位を占めました。
この調査を通して、「障害者施設は敷居が高いので支援者の紹介がないと行きにくい」「自分で事業所を選んでいる人が少ない」という現状が浮き彫りになりました。ユーザーである利用者がたくさんの選択肢の中から主体的に決めれるような環境づくりが必要です。