SNSの功罪〜インスタ映えにおけるネット依存症
パニック障害・不安障害 強迫性障害 依存症ここ数年、インスタグラム、フェイスブック、ツイッター、ラインなど様々なSNSの利用者が世界中で爆発的に増えています。SNSは若者を中心に生活上、切っても切れないツールになっています。一方で、普及に伴いSNSに翻弄されている人も増加傾向にあります。それにより、社会問題のなりつつあるSNSが精神に及ぼす影響について、まずは、自分なりの意見を簡単ながら書かせて頂きます。
インスタ映えにおけるごみ問題
ここ最近、インスタグラムで流行っているのが、インスタ映えを狙って、ブームなっている食べ物を注文しても写真を撮って食べずに廃棄する、もしくは大量の食べ残しをして、路上にポイ捨てすることがニュースにもなっています。何故、そのようなことが起きるのでしょうか?
マナーの問題ですか?
ゴミ箱が一杯だからですか?
食べきれないからですか?
写真を撮って満足したからですか?
最近ニュースで話題になっているのがタピオカミルクティーです。都内だけでも300店舗以上あるそうです。ここでも問題となっているのが、ポイ捨てです。注文して写真を取ったらそのまま捨てる人もいるそうです。以前では、インスタ映えするアイス屋さんでも、写真を取ったら、すぐゴミ箱へ捨てる人もいたそうです。
※日本における食品廃棄ロスは年間約646万トン。我が国はわざわざ海外から食料を輸入しつつ、それを廃棄していることになります。
何故、ここまでしてSNSに上げることで、不特定多数の人間に発信する行為が流行っているのでしょうか?日本だけでなく、世界中でインスタ映えを狙って事故を起こすなど様々な問題がニュースに流れてきます。
ここまでくると、ネット依存症もしくはSNS依存症というべきでしょうか?
インスタ映えを気にする人のうつ状態
インスタ映えを気にするのは若者だけ、という方もおられると思いますが、中高年でもインスタグラムやフェイスブックなどによる依存で「うつ病」が発症するケースが報告されています。ツイッターやインスタグラムでの背後に隠れているものは、SNSが持つ強い依存症です。ある精神科医は「SNSの利用によって不安感や自信の喪失、うつ状態を訴える人が年々増えている」と警鐘を鳴らしています。
SNSで他人の情報に触れる機会が多いと、それを見ている人の主観的幸福感を低下させることが研究で分かっています。また、人間の気持ちや意欲を司る大脳辺縁系は文字情報よりも画像に反応しやすいです。そのため、インスタグラムやフェイスブックは、マイナスな感情をより増幅させやすいのです。その結果、不安障害や強迫性障害などを引き起こす原因になることもあるのです。
主観的幸福感とは
どのくらい幸せかを本人の主観をもとに測るものです。人の生活状況を最も良く判定できるのは生活している人自身です。
SNS依存による依存の連鎖(クロスアディクション)
様々な依存症がありますが、依存対象は1つとは限りません。いくつかの依存症を併せ持っている人もいます。これを「クロスアディクション」と呼びます。アディクションとは、専門用語で「嗜癖(しへき)」と呼ばれます。嗜癖とは「あることを特にすき好む癖」と辞書にはあります。アルコール依存からギャンブル依存へ移る、もしくは複数の依存症を持ち合わすこともあるのです。しかし、ネット依存は複数の依存を併発する例は少ないと言われています。
受けがいいことを狙うということは、言葉を変えると承認欲求とも言えます。承認欲求を満たすためには、注目を集められなければならないので、自己顕示欲も絡んできます。ある精神科医はSNSが氾濫している現代社会を自己愛が膨らんだ「自己愛過剰社会」と呼び、警告を鳴らしています。
しかし、悪い事ばかりでは無いと思います。誰でもすぐに、必要な情報が得られることは大変便利な時代になったと思います。情報を受けいれる人がどう判断していくかによって、劇薬になるか、特効薬になるかは、受け手の取り方次第で変わると考えております。
参考文献
ネット依存症から子どもを救う本 著者 樋口進
おおさか依存症土日ホットライン
http://www.pref.osaka.lg.jp/chikikansen/izonsho_soudan/index.html
プレジネントオンライン
https://president.jp/
うつ病 その他の障害・病気