音との付き合い方を考えてみる~心に与える影響
出典:Photo by Juja Han on Unsplash
みなさんは「音」を集中して聞くことはありますか。音にも色んなものがあります、日常の生活音、楽器が奏でる音色や、感情のこもった歌。今回はそんな音との付き合い方についてお話したいと思います。
音が与える影響
日常生活において、気分で活動力が大きく左右される人も多いと思います。特に精神障害を持っている人はその傾向は強いです。私もその一人です。活動力の向上のため気分を意図的に操作する方法はいくつかあるのですが、中でも「音」が与える影響はかなり大きい物だと思っています。
例えば、朝目が覚めたら工事の音が聞こえると、うるさいし耳障りで凄く嫌になります。でもそれが優しげなピアノの音なら、気持ちいい目覚めをむかえられると思いませんか。ずーんと落ち込んだ時に、励ましてくれるような歌を聞くと前を向けたりしないでしょうか。
人の笑い声や行き交う雑踏の音、ギターの音とか流行りの歌手だとか、好きだと感じる音には様々な種類があります。自分の好きな音は気持ちを高めてくれます。
音の印象
音にはそれぞれ与える印象があります。さっき例に挙げた工事の音なら、真っ先にうるさいという印象が湧いてきます。ピアノの音だって、弾く曲によっては楽しくも悲しくもなります。そういった「音が与える印象」はかなり大事です。
音の印象を決定づけるのはその音のみではありません。例えば「蛍の光」が流れてくると、なんとなく帰らないといけない気分になったりしますよね。これは、閉店=蛍の光、という曲以外による日常的なイメージから来るものです。好きな音だからと設定したはずのアラームの音が、毎日聞いているうちに、目覚めの音、動き出さなきゃいけない音というイメージの変化から、嫌いになってしまったという話もあります。
いくら自分の好きな音と言えど、どういう時に聞けば気持ちが高まるのか、どういう使い方なら嫌にならないかを探るのは大切です。見極めは難しいですが、ここがわかれば効果的に音を日常の活力として取り込むことができます。
気持ちに操作される聞きたい音
最近は音楽系コンテンツが充実してきて、どこでも自分の好きな歌手の好きな歌を気軽に聴けるようになりました。日々の移動時間や、休憩中、家でなど色んな時に歌を聴くと思います。
しかし、そういう時は意識して歌を聴いているのでしょうか。中にはそういう人もいるかもしれませんが、だいたいの人はその時の気分で気に入る曲を、漠然と探しながらプレイリストを流しているだけだと思います。これが"罠"になっている時がまれにあるのです。
楽しい時は陽気な曲を聴きたくなります。そのまま漠然とランダムに再生して、しっとりとした曲が流れても、大して気分に影響は出ません。ですが気分が落ち込んでいる時はどうでしょう。耳を塞ぐようにイヤホンをして、わざわざ自分から気落ちするような曲を聞いてしまうことがないでしょうか。私には経験があります、しかもこれは無意識でやっていることが多いです。
この状態になると気分は落ちたまま、耳元から聞こえる音もネガティブなものばかり。どんどん負のスパイラルに落ちていってしまいます。これを解決するには「負のスパイラルへの気づき」が必要です。ハッと気づいた時に、無理なく自分を奮い立たせるよう少しづつ曲を明るくしていきましょう。
気持ちで聞きたい音が操作されるように、逆に音から気持ちを操作していくのです。
音と共に生きる
私たちは音と共に日常を過ごし、音は私たちに色んな影響を与えます。普段は良い方向に、時に悪い方向に、私たちの気持ちを揺さぶります。だからこそ、付き合い方を少し考えてみるだけで、音はどんどん活力の素になっていくのです。
ふとした時、下を向いてしまった時、音の力に頼ってみるのはいかがでしょうか。
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