発達障害で就職活動につまずいた理由
発達障害 仕事出典:Photo by Joanna Kosinska on Unsplash
大学を卒業するまで発達障害だと分からなかった私の就職活動の失敗談を話したいと思います。
発達障害の学生が就職活動でつまずきやすいポイントを紹介します。つまずきやすいポイントは5つあり、「就職活動の進め方」「スケジュール管理」「就職の希望条件の選択」「面接」「アピールの方法」です。私が困ったのは、この中でも「就職活動の進め方」と、「希望条件の選択」です。
就職活動の話の前に高校受験や大学受験で上手く言った理由を順に振り返りたいと思います。
高校受験と大学受験
私の地域の高校受験では、県内をいくつかの地域に分けた学区と呼ばれるものがありました。学区によって受験できる高校が決まっているため、選択できる高校の数は絞られます。また、合格の可能性を模試によって知ることができ、学力によっても高校の数を絞ることができました。そのため、学校選びでさほど迷うことも無く、受験する高校を決めることができました。
受験の申し込みも、学校で受験に必要な願書を先生に教えてもらいながら書いたり、出願も同じ学校を受ける他の生徒と一緒に行ったりしました。そのため、自分で調べたりする必要もなく、無事に高校受験の申し込みをすることができたのです。
大学受験では高校受験よりは先生や周りの人の助けが減りましたが、センター試験の申込方法や期日などは先生が確認してくれたため、問題なく受験することができました。
大学での就職活動
受験ではうまくいきましたが一転、就職活動ではそうはいきませんでした。
就職活動にあたって私がまず始めたことは、大学が主催する就職活動の講座に参加する事でした。これは大学のお知らせで開催されていることを知ったため、参加しました。そこで自己分析や企業研究、エントリーシートでの自己PRや志望動機の伝え方を学びました。就職活動の概略を理解することはできましたがしかし、具体的に何をすれば良いのかを理解していなかったように思います。例えば、「エントリーがいつから始まるのか」「エントリーが始まったら何をするのか」「エントリーするとどうなるのか」ということを理解していませんでした。また、応募方法は就活サイトからなのか、企業ごとの専用のサイトがあるのかなど企業ごとにバラバラで難しさを感じました。
このような分からないことがあった場合、他の学生は周りの友人たちと情報交換をしながら就職活動を行っていたのだと思います。しかし、人と関わることに苦手意識があり、就職活動のことを友人と話し合ったり、大学の就職支援室に相談に行ったりすることが私にはできませんでした。そのため、就職活動の情報はインターネットで検索した内容や就職活動講座で聞いた内容だけという状態だったのです。
4年生に進級する前の春休みになってようやく、合同企業説明会に行き始めました。合同企業説明会に参加してみると、沢山の企業がブースを出していてびっくりしました。「この数ある企業の中からどこを選べばいいのか」「企業のブースにどのタイミングで入ればいいのか」が分からず、ほとんど企業ブースに行くことができませんでした。
そんな中で、なんとか説明を聞くことができた企業に応募してみることにしました。しかし、エントリーシートの志望動機や自己PRに何を書けばいいのかが分からず、うまく書けませんでした。そして、数社応募してみて他の学生よりも就職活動を始める時期が遅かったことに気づいた私は、もう駄目だと諦めてしまったのです。
このように高校受験や大学受験と違い「自分で進めなければならい」就職活動に、私はうまく対応できなかったのです。
現在
大学卒業後に発達障害と診断され、現在は就労移行支援事業所を利用して就職活動をしています。今思えば、就職活動で失敗した原因は発達障害のせいだったのかも知れません。就労移行支援事業所ではスタッフの方に就職活動で困ったときに相談し、周りの人から情報を得て、今度こそ就職活動が成功すればと努力しています。
参考文献
【吉永崇史(2010)「自閉症スペクトラム学生への就職活動支援」『学園の臨床研究』第9巻,pp.47-56】
https://toyama.repo.nii.ac.jp/
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