ADHDとASD、発達障害者の私について
発達障害 仕事出典:Photo by Hal Gatewood on Unsplash
仕事をうまく覚えられないことから、同僚のすすめで精神科のクリニックにいったのは2022年の3月でした。その結果、医師に「注意欠陥多動性障害(ADHD)」と「自閉症スペクトラム(ASD)」と診断されてしまい、目の前が真っ暗になってしまいました。
その後、ADHDとASDについて調べると、自分に当てはまることも多く「仕事をうまく覚えられなかったのは、病気のせいだった」とわかったことで安心したのを覚えています。
今回は私の障害特性について、体験をもとにお話ししようと思います。
ADHD(注意欠陥多動性障害)について
ADHDは注意の持続が困難で、細部に注意がいかないため、仕事でケアレスミスや忘れ物が多かったりします。小学校のころに落ち着きがなく、授業中に歩き回ったり喋り出したりして、先生から注意を受ける子供は、ADHDの可能性があるといわれています。
私の場合、小学校のころに「授業中に違う事を考えているようです」と通信簿に書かれたものの、授業中に歩き回るようなことは無かったです。落ち着きの無さは年齢を重ねていく内に、ましになっていったものの、不安なことがあると廊下をウロウロと歩き回る癖が、今でもたまに出てきます。
社会人になってからの話ですが、前職で押し出し加工機の補助作業に従事していました。紙管に巻き取られてゆく製品を追いかけるように作業をしていかなければならず、先輩社員から急かされることもあり、常に焦って作業をしていたと思います。その結果、頭で考える前に衝動的に動いてしまい、ときには電源が入ったままの機械を開いてしまうなど、危険な失敗をしてしまうこともありました。
私は予定や必要な物を忘れてしまうことはあまりないのですが、仕事を覚えられない、あるいは人よりもずっと時間がかかってしまうという特性があります。ADHDの特徴としてワーキングメモリが弱いせいで情報を一時記憶、整理ができないせいで物忘れしてしまい、恐らく仕事を覚えられなかったのは、このことによるものと思います。特に怒られているときなど、この性質が悪化してしまい「さっきいった内容を復唱してみろ」といわれて復唱することができなかったこともありました。
ASD(自閉症スペクトラム)について
ASDには大きく分けてふたつあります。ひとつは知的障害をともなう自閉症、もうひとつは知的障害をともなわない自閉症です。主な特性は対人関係が苦手であり、特定の事に強いこだわりをもつこと、他に運動の苦手さや感覚過敏が挙げられます。
私も対人関係が苦手で、人と遊ぶより自分1人でどこかに遊びにいった方が楽だと思っています。しかし、会社などの集団の中ではできる限り場の雰囲気や、人が今何を考えているのかは注意しています。昔、私の何気ない言葉が攻撃的だといわれた経験から、軽率なことをいって相手を傷つけないように、よく考えてから発言するようにしています。
また、人の話を聞くときは相手の言葉をいい終わるまで待ち、途中で言葉を挟まないように注意する努力をしています。それでも苦手な人とはコミュニケーションを取るのが難しいためか、自分の事を気遣ってくれないじゃないかといわれることもあります。ASDのせいなのか性格のせいなのかわかりませんが、苦手な人とのコミュニケーションは緊張するため、とても相手の心情を察するまでいたらないのだと思います。
ASDの特徴である不器用さが私にもあり、前職では真っ直ぐに包装紙をカッターで切るなど、手先の器用さが問われることが多かったのですが、どうしてもできずよく叱られていました。
また、感覚の過敏は普段はあまり感じないのですが、気持ちが落ち込んだときなど、周りの音がとても不快に聞こえることがあります。
まとめ
病名がついたのは最近ですが、実は私は10年ほど前から「自分は何か障害があるのではないか」と感じていました。以前、医療系の専門学校に通っており、ADHDやASDについても学んでいたからです。
それでも家族に心配かけるのも嫌で、自分が障害者だと診断してもらう勇気もありませんでしたので、同僚にいわれるまで後伸ばしにしていました。
しかし、10年前に発達障害だと診断を下された方がよかったと今なら思います。なぜなら、今までの失敗も自分のせいではなく病気のせいだったということで少しだけ安心できました。また、病気と認めたことにより、相談できる人や他にも同じような理由で苦労している人の存在に気づけたからです
現在、私は就労移行支援事業所に通いながら自分の障害特性と向き合い、どのような職場が向いているのか考えて日々過ごしています。
注意欠陥多動性障害(ADHD) 自閉症スペクトラム障害(ASD)