ADHDの薬がなぜ効くのか~アトモキセチンについて私の体験談
発達障害出典:Photo by Michał Parzuchowski on Unsplash
インターネットで検索するとADHD(注意欠陥多動性障害)は治らない病気と出てきます。しかし、症状を緩和する薬は存在しています。今回は私の体験談をまじえながらADHDの薬の紹介をしたいと思います。
なぜ、薬がADHDに効くのか?
ADHDの症状は脳内物質である「ドーパミン」と「ノルアドレナリン」が不足することで、症状が出るといわれています。特にドーパミンが不足すると、物事を順序だてて考えることができないなどの症状が出てきます。
脳内では、放出された神経伝達物質の再取り込みしています。ADHDの人はこのときに取り込み過ぎて、脳内の神経伝達物質が不足してしまっているのです。そこで再取り込みを阻害して、神経伝達物質の働きを強めることにより、症状を改善することができます。
アトモキセチン(ストラテラ)について
私は現在「アトモキセチン」を服用しています。この薬はADHDのすべての症状に効果があり、現在、朝晩の2回服用しています。この薬の副作用は眠気や吐き気、腹痛があります。私もドンペリドン錠という吐き気止めと一緒に飲んでいますが、薬を飲んで吐き気を感じたことはありません。
副作用について
一般的に「アトモキセチン」には「けん怠感」という副作用があります。2022年の3月よりこの薬を飲み始めたのですが、最初のころは薬を飲んだ後、体にだるさを感じました。また、私の場合、だるさの他にもうひとつ、興奮という副作用もありました。
ある日のこと、急に体が火照り、じっとしていられないような激しい興奮状態になったのです。通院した後、このことを主治医の先生に告げる、と薬の量を減らしてもらうことになりました。
薬の量を減らされて体のだるさはマシになったのですが、たまに興奮して夜中に目が覚めたり、昼間、体が火照るということがありました。
現在、私は就労支援事業所に通所しているのですが、薬の副作用による眠気に襲われて、講義中に眠たくて我慢できない日もこの半年間の間にもありました。そのときの対策として、コーヒーなどのカフェインを摂取し休み時間は目を瞑って休憩する事で対処しました。
半年ほど、朝だけの服用を続けたのですが、現在は薬に体が慣れてきたため、朝晩と2回の服用を続けています。最近は以前のように興奮を起こしませんが、昼間に眠気に襲われることが稀にあります。
薬の効果について
半年間、アトモキセチンを飲み続けた私ですが、日常生活において薬による劇的な効果は実感できておりません。
この薬は急に効果が出るわけではなく、1、2か月かけてゆっくりと効いてゆくようなので、劇的な効果はわかりにくいのかもしれません。
しかし、前職で押し出し加工機の作業時に、薬を飲む前はできなかった作業ができるようになりました。そのこともあって、緊張して動けなくなる特性を薬で抑え、作業をできるようになったと感じたのです。
現在、体の方は薬に慣れて、以前の様なだるさや興奮を感じることはなく快調に生活しています
まとめ
病院でADHDが診断された後、アトモキセチンが処方されました。
私も持病がなく薬を飲み続ける生活が初めてだったのと、脳に作用する薬ということから最初のうちは薬に対して不安がありました。体に慣れるまでに出てきた副作用について、医師や就労支援事業所の職員さんとよく相談していました。しかし、現在では薬を飲みながらも副作用も少なく快調に暮らせています。
どんな人でも薬の服用は不安なことだと思います。どの薬が合い、どの量を服用していくのか担当医と相談して、検討しながら選んでいくのがいいと思います
参考文献
【処方薬事典 注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬の解説 日経メディカル】
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/doctor
【コラム ADHDの薬物療法と弊害 大阪メンタルクリニック】
https://osakamental.com/online-drug.html
注意欠陥多動性障害(ADHD)