暴露療法とは?不安障害がある私の体験した暴露療法について

パニック障害・不安障害

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みなさんは暴露療法というものをご存じでしょうか。暴露療法とは、不安障害に用いられる行動療法です。この療法は、不安感や恐怖感を克服するため、患者が恐怖や不安を抱いている物事や状況に対して、危険を伴うことなく直面させることで不安状況に慣れさせていくというものです。このコラムでは私が体験した不安障害の暴露療法について書いていきたいと思います。

私が暴露療法を知ったきっかけ

私は15歳の時に不安神経症と診断を受けたのですが、その時はまだ年齢的なものもあり、小児科を受診しておりました。15歳を過ぎても、主治医が小児科の心療担当だったため、しばらくは小児科でお世話になりました。本格的に精神科を利用することになったのは20歳になったころだと思います。主治医も変わり不安でしたが、そこで暴露療法を知ることになりました。

暴露療法の内容について

私が体験した暴露療法は不安階層表と言うものを作り、はじめは、弱い不安状況から直面させ、段階をへて強い不安状況に慣れさせていくというものでした。不安階層表というのは、自分が不安・恐怖を感じる項目を紙に書いていき、そしてその項目に弱いものから強いものへと段階をつけていくというものです。私の場合、20%のようにパーセンテージで書いていきました。

私の場合の例
①戸締まり、火のもとを確認する……20%
②トイレに行きたくなる……50%
③バスに長時間乗る……60%
④電車に乗る……70%
⑤料理をする、包丁を使う……40%

こうして項目とパーセンテージが書けたら、弱いものから順に不安状況に慣れていく練習に入っていきました。例えば、上で挙げた「①戸締まり、火のもとを確認する」でしたら、確認の回数を減らす、「④電車に乗る」でしたら、実際に電車に乗ってみる、などです。この方法は、曝露反応妨害法といいます。

曝露反応妨害法とは

暴露反応妨害法とは、患者が不安感・恐怖感を抱いている物事や状況に接しつつ(曝露)、その物事や状況から回避行動、安全確保行動をしない事(反応妨害)で、実際には不安や恐怖に思っていたことが起きない、大丈夫であることを体験を通じて習得していく方法です。はじめは強かった不安や恐怖感が時間とともに低減してしていくことを感じ、そして、この曝露と反応妨害をセットとして繰り返し行っていくうちに、徐々に不安感や恐怖感を緩和していくことを身を持って学んでいきます。この療法は強迫性障害に用いられることが多いそうです。

暴露療法を行ってみて

私個人の感想ですが、やってみて良かったです。私の場合は効果があり、はじめは交通機関を利用することができませんでしたが、現在は長時間でなければ利用することができるようになり、世界が少し広がりました。自分の目に見えるように可視化することで、取り組む内容が明確になりました。それに当時ひきこもりがちだった私にとっては、外出のきっかけになりましたし、目標になりました。

現在も、未だに不安なこと、怖いことが起こります。ごく稀ですが電車に乗れない日もあります。ですが、翌日には必ず乗るようにしています。この療法は一見ひとりで出来そうな気がしますが、やはり自分の不安感や恐怖感に向き合うことは、ストレスになります。症状が悪化する可能性があるので、自分一人で行うのではなく、主治医や専門家と一緒に行うことが望ましいと思います。

参考文献
暴露療法-Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%B4%E9%9C%B2%E7%99%82%E6%B3%95

認知行動療法で不安を解消する-医療法人和楽会
http://www.fuanclinic.com/p_plaza/kurasi12.htm

青月

青月

不安障害・強迫性障害の30代女性。趣味は漫画を読むこと。好きな食べ物はオムライスです。

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