発達障害のある私の自己肯定感の高め方①~視点を変えて心を軽くしよう
暮らし 発達障害生まれつきコミュニケーションに障害のある私は、子どもの頃からずっと疎外感に悩まされてきました。クラスの中でとにかく浮いてしまい、周囲との歩調のズレから学生時代はずっと”いじめられっ子”でした。社会に出ても疎外感は続き、私の自己肯定感は常にゼロに近い状態でした。40代になって生き辛さをなくしたいと心底感じ、ようやく本格的に自己肯定感を高める努力を始めました。
まずは視点を変えてみる
就労移行支援に通所し始めた頃は自己否定からひどいうつ状態になることが多く、スタッフから「一日一度は自分の中でプラスの部分を見つけて褒めてあげよう」とアドバイスを受けましたが、最初は自分のマイナス面ばかりが気になってしまい、自分を甘やかしているような気がして、なかなか自分を褒めることができませんでした。ある時、グループで話す訓練の中で「相手の話を否定しない」ルールを自分にも向けることを思い付き、自分へのダメ出しではなく、努力した自分を認めた上で、「どうすればもっと良くなるか」に視点を変えて考えるようにしたら、徐々にポジティブ思考になってきました。
この年になるまで、否定され続けてきたトラウマや、「結果を出せないうちは努力とは言えない」という考え方に縛られて自己肯定ができずに苦しみましたが、まずは成果の有無を度外視したらすごく心が軽くなりました。不安や緊張が和らいだ分、むしろ目標が達成しやすくなったように感じます。
自己肯定感を高めるには、「たとえ失敗しても良い」と思って、とにかく気軽になることが大事だと思います。
気軽になれる3つのポイント
そうは言っても、私のように「気軽になる」ことがすごく難しい人も多いと思います。そこで、今から気軽になれるコツについて私なりに感じたことをお話したいと思います。
①慌てない
子供の頃に行動の遅さを注意されてきた私は、いつしか「早くしなければ」と慌てる癖がついてしまいました。例えばタイピングの訓練中に、ものすごく急いで入力してもなかなか思うように結果が出せず、「全速力でやってこんな速度なんて情けない」などと自分を責めては自己肯定感を下げていましたが、体調が良くなかった時に、今日はゆっくり入力してみようと思って取り組んでみたら、全力で急いだ時よりも良い結果が出たのです。続けて急がずに取り組んでも、結果は急いだ時とほぼ同じかより多くの文字数を、しかもミスなく入力できました。自己ベスト更新を達成できたこともありました。それまでは、鞄の中から思うように素早く書類を取り出せなかっただけで焦ってしまうようなことが多々ありましたが、そんな時は「ちょっと待ってください」と相手に一言伝えたら良いことにも気付きました。
②諦めない
これは私の座右の銘でもありますが、「自分の才能が見つからない」と主治医に漏らした時に、「人間にとって一番の才能は、諦めないことですよ」と言われたことに由来します。ほんの2年前は自己紹介もままならない程、人前でのスピーチがものすごく苦手でしたが、訓練を受けているうちに上達し、スピーチは今では私の得意分野になりつつあります。
③あれこれ考え過ぎない
子供の頃から不用意に相手を怒らせてしまうことが多かったために、私はいつしか他人に気を使い過ぎるようになっていました。それでも、就労移行支援でそんな私の性格を知っていながら、親しく話していたメンバーから唐突に距離を置かれた時は凹みましたが、私のキャラクターを好きだと言ってくれた人もいて、「あれこれ考え過ぎてもキリがないし、万人に好かれるのは無理に決まっているし、何より疲れるし、そろそろ自分を許してあげよう」と思うキッカケになりました。考え過ぎるのをやめてみたら心が疲れることも激減し、良い意味で「自分らしく」振る舞えるようになってきた気がしています。
まとめ
自己肯定感を高めるために、私が気付いた「心を軽くする3つのポイント」を書いてみましたが、頭文字から3A=「トリプルアクセルの原則」と名付けたいと思います。トリプルアクセルは「前向きに」飛ぶジャンプですから。読まれる方の参考になるかどうかはわかりませんが、まずは伝えたいことを前向きに伝えられた自分をきちんと褒めたいと思います。
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