発達障害とアトピー〜高まるリスクと対抗策~
発達障害 その他の障害・病気発達障害は一般的に脳機能の障害と言われており、アトピー性皮膚炎は皮膚に病状が現れる病気です。一見関係が無さそうに見えますが、最近の研究では両者に関連性があるのではないかと言われております。私も発達障害とアトピーを両方持っています。私が体験した事を交えながら2つのリスクや対策についてお話したいと思います。
本当に関連性はある?
結論だけをお伝えするとアトピーを発症した場合、発達障害にも併せて発症する症例は多く見られ関係性があると思われますが、何故そうなるのかについては不明であるということです。
研究例を紹介させていただきますと台湾では国民健康データベースを利用して1998年~2008年までに生まれた子どもでアトピーを発症した児童を対象に、その後ADHDであったかどうかを追跡して確かめる研究が2011年まで行われておりました。研究結果ではアトピーやアレルギーをもつ3歳未満の子どもが、大きくなるとADHDなどの発達障害を抱えるリスクが高いという結果が示されています。他にもアメリカでは1997年〜2013年に渡って、2〜17歳の354,416人のデータを分析し、34,613人の18 歳以上の成人を対象にアトピーとADHDの関連を調べる聞き取り調査をしております。こちらの研究でも台湾の研究同様アトピーが、ADHDになるリスクを高めるという結果が出ております。
これらのようにアトピーと発達障害に関連性があると考える研究は多くあるのですが、ではなぜそうなるのかについてはまだ解明されておらずこれからの研究のようです。
起こりえる相乗効果
そして、アトピーと発達障害について私個人の意見としてはお互いに影響を与え病状を悪化させる可能性があると考えております。
発達障害を持つ方はその特性から身体的・精神的な負担がかかりやすい特徴がありますが、アトピーも心身症とも呼ばれメンタル状態が症状に大きく影響を与える病気なのです。私自身嫌なこと・辛いことがあった際にそのストレス発散のために体を掻いてしまうことがよくあります。また、幼い頃からアトピーを持っていると見た目が汚い・気持ち悪い、痒みから来る変わった挙動を理由に学校ではいじめや孤立の原因になり、ますますメンタルの状態を崩しアトピーも悪化してしまう苦い経験をした事もあります。ある心理学の研究ではアトピーを持つ人は「自己肯定感が低く、社会的な自身の存在を受け入れにくく日常生活に対する充実感が低い」「アトピーの症状が重度になるほど人に対する不信感が強くなり対人面での消極性、閉鎖的人間関係を招く」といった調査結果が出ています。
身体と心に負担がかかった時、症状が悪化するのはアトピー・発達障害どちらでも変わりません。ですが、両方とも併せて持っていると悪化のきっかけとなる要素はとても増えると思います。発達障害の特性による様々な社会的困難で落ち込んだ時アトピーは悪化する可能性があり、アトピー悪化による負荷は自己肯定感を下げ発達障害の特性を強めたり二次障害を起こすことも考えられます。
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