発達障害は依存症になりやすい?①
発達障害2019年5月25日、世界保健機構(WHO)は、日常生活に支障をきたすほどゲームに没頭してしまう「ゲーム障害」を病気であると正式に認定しました。アルコールやドラッグ同様に、治療が必要な依存症です。 “遊び”だったはずのゲームで依存症になってしまうなんて…心当たりはありませんか? 実は、発達障害者は、依存症になりやすいと言われています。依存症とは何なのか、どんな依存症があるのか、なぜ発達障害は依存症になりやすいと言われているのか、ご紹介します。
依存症ってどんな病気?
依存症とは、日常生活に支障をきたしているにも関わらず、お酒やギャンブルなどにのめり込んでしまい、自分ではコントロールができない状態のことを言います。 お酒やギャンブルなどをやると、脳内にあるドーパミンという物質が快楽を与えます。繰り返すと、脳が刺激に慣れ、より強い刺激を求めるようになってしまい、やめようと思っても自分ではやめられない状態になってしまいます。それが依存症という病気です。 「気持ちが弱いからやめられない」「楽しいからやめたくないんだろう」と言われることがありますが、これは全く違うのです。依存症の種類
依存症には3つの種類があります。また、2つ以上の依存を合併することをクロス・アディクションと言います。 ◈物質依存…特定の物質を摂取することで、快楽や刺激にのめり込み日常生活に支障をきたしている状態。 (アルコール/大麻/覚せい剤/処方薬/タバコ/過食症など) ◈行為依存…特定の行為から得られる刺激や安心感にのめり込んでしまい、日常生活に支障をきたしている状態。 (ギャンブル/買い物/パチンコ/ゲーム/ネット/スマホ/セックス/整形/自傷癖/窃盗癖など) ◈人間関係依存…支配関係になってしまうなど、特定の人物との歪んだ人間関係に執着しながらも、つながりを求め続ける状態。 (DV/恋愛依存/ストーカー/親子間の共依存など)なぜ発達障害は依存症になりやすいの?
大人の発達障害者は、二次障害や合併症を発症している方がたくさんいます。 気分障害/双極性障害/不安障害/パーソナリティ障害とある中に、依存症・嗜癖行動などがあります。福島学院大学の研究では、大人のADHDで依存症・嗜癖行動の人が40%、ASD(自閉症スペクトラム症)で36%発症していると結果が出ています。また、依存症の専門病院マリアの丘クリニックの調査では、依存症患者の1/3に発達障害がみられることがわかりました。参考文献
依存症についてもっと知りたい方へ 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/index.html
https://www.mhlw.go.jp/index.html
平成24年度発達障害講演会 福島学院大学 副学長 星野 仁彦
https://www.pref.oita.jp
https://www.pref.oita.jp
発達障害と依存症 マリアの丘クリニック 医学博士 近藤直樹
http://www.maria-hill.jp
http://www.maria-hill.jp
発達障害 その他の障害・病気 自閉症スペクトラム障害(ASD) パーソナリティー障害 双極性障害(躁うつ病)