飲酒の理由と依存症

依存症 暮らし
unsplash-logo Patrick Fore

自分の知り合いにほぼ毎日お酒を1缶飲む人がいます。先日その知人を交えて外食すると運転担当の彼がノンアルコールビールを2本頼み、理由を聞くと「酔った気分になりたいから」と述べた知人。調べてみるとノンアルコールも1.5L摂取すると危険を伴うらしく、そこまでして飲みたいのか、それは依存症ではないかと不思議に思ったものです。自分もお酒を飲みますが、自分の場合は自分の特性である“考え過ぎ”による頭痛などの緩和のためです。そこで、お酒を飲む目的が、飲む頻度やアルコール依存症に関係しているのではないかと思い、調べてみました。

酔いとはなにか

そもそもお酒に酔った状態とはどの様な状態でしょうか。調べてみると、お酒すなわちアルコールには脳内で働くドーパミンという物質の分泌を促す作用があります。ドーパミンは欲求に深く関係し、楽しさや快楽の感情を生み出すホルモンです。同時に平静を保とうとするホルモンの働きを鈍らせる力も持っています。またセロトニンという幸福感を生み出すホルモンの分泌にも関わりがあります。つまり、酔いとは快楽や幸福を感じている状態です。ただしアルコールは摂取し続けると、耐性が付き酔いにくくなる場合があります。また、セロトニンはドーパミンを抑え、精神を安定させる働きも持っています。これらの事実を踏まえて、飲酒の理由について調べてみました。

飲酒の理由と頻度2

お酒を飲む理由とお酒を飲む頻度について次のようなアンケート結果があります。


お酒に対する意識と購買状況に関する調査|市場調査メディア ホノテ *複数回答有

自分の場合、頭痛などの症状を和らげるために、お酒を飲んでいますが、グラフを見ると「気分転換・疲れが取れるから」39.3%、「楽しい気分になれるから」38.3%、「リラックスできるから」35.8%、「人との付き合いのため」35.4%、「ストレス発散ができるから」27.9%。ほとんどが気分の向上やストレスの発散という回答です。


お酒に求めているものとは? - アサヒグループホールディングス

個人的にお酒は月1回の程度ですが、アンケート結果を見ると「週4~ほぼ毎日」が過半数を超えています。そして「週1~3回」は1位である「ほぼ毎日」と同数の結果となっています。それ以外の回答は「月2~3回」3.6%、「月1回」2.3%、「数ヶ月に1回程度」3.3%、「ほとんど飲まない」が3.8%となっており、月単位の回答が集中する結果となっています。

手軽な快感取得

リラックス状態はストレスのある状態と対照的なものです。リラックス状態は快感に、ストレスは不快感に繋がるものです。アルコールはドーパミンなど快感を覚えるホルモンの分泌に関係しております。上の表で分かるようにお酒を飲む事はストレスを忘れる為だけでなく、手軽に快楽を得られる手段となっているのかもしれません。

また分泌されるホルモンでも特にドーパミンが、欲求に深く関わるホルモンであることも飲酒頻度に関係しているのではないかと私は思います。人間は欲求を満たすことで快感を得ます。それが満たされなかった場合は不快感、すなわちストレスとなります。アルコールは摂取し続けると、耐性がついて酔いにくくなる事があるのは先に述べましたが、それはドーパミンが分泌されにくくなり、快楽を感じ難くなることを意味します。アルコール依存症はアルコールに対するコントロール障害とも言われています。手軽に得られるはずの快感が得られにくくなります。そして、それを得る為にドーパミンの分泌を求め自身では量や時間、状況をコントロールできず、飲酒をしてしまうのがアルコール依存症なのだそうです。

おわりに

手軽に欲求を満たせてリラックス状態になれるのならば、その快感を目的にお酒を日々求めてしまうのも理解出来ます。しかし水でも度が過ぎれば体に悪影響を及ぼすように、手軽な快感も、コントロールを失えば牙を剥くのだと私は思いました。

参考文献

お酒に対する意識と購買状況に関する調査|市場調査メディア ホノテ
https://honote.macromill.com

お酒に求めているものとは? - アサヒグループホールディングス
https://www.asahigroup-holdings.com

お酒を飲むと楽しくなるのはなぜ?脳とアルコールのメカニズム |HeiC+
https://www.health.ne.jp

【e-ヘルスネット セロトニン】
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

アルコール依存症 | 精神科 | 鳥取大学医学部附属病院
http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp

ラセナ

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物語を作りたいものの考察の方が性に合うのが悩み。

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