障がい者も一人の人~障がい者として思った事

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障がい者に対して、差別まではいかなくても偏見を持っていませんか?障がい者の方も障がいを言い訳にして甘えていませんか?と思った事を今回のコラムで書かせて頂きます。

甘えは許さない!

少し厳しい意見ですが、障がいがあるからといって、甘える事を私は許せません。

私が支援員の頃は利用者の方に寄り添う事をモットーしていました。しかし、何でもかんでもフォローするのではなく、利用者本人が出来る事や、考えなければいけない事は、ご自身でやってもらっていました。配慮ばかりしてもらって、それに甘えていては、社会に出た時につまずいてしまいます。

例えば、午後の作業でウトウトしてしまった方がいます。休憩時間に眠るのは構いませんが、作業時間は仕事の時間です。上手く作業を振りながら寝る暇が無い様に対応しました。もちろん、体調が悪いのであれば、申告して貰えばよいのです。支援員に伝える事も一つの訓練だと私は思います。

無理な事にどう向き合うか

発達障がいの特性で匂いが気になる方がいました。私は汗っかきなので、私の後にトイレに入れないと他の支援員の人に訴えたことがあります。私はそれを聞いて、着替えのシャツと匂い対策のスプレーで対応しましたが、ふと考えた事があります。この人がもし一般就労したらどうするのだろう?満員電車など人混みでは、色々な匂いが混ざり合うと思います。しかし対策してくれる人はいません。支援員も、場当たり的でない、先を見越したアドバイスをしてもよかったと思います。

私自身パニック障がいで、一時期電車に乗れなくなったことがあります。元々鉄道好きな私は、「電車に乗れない自分」が嫌だったので、スケジュールを立てながら、月一回母の住む町まで、電車に乗って会いに行くと、リハビリをおこないました。無理せずダメなら途中下車しながらも1年近く続けることで、何とか乗れる様になりました。この方法はあくまで私の対応策なので、同じパニック障がいの友人に話すと、私は無理と言われた事もあります。それぞれの対応策は自分でできる範囲で考えるしかありません。

ヘルパーさん、そんな言い方しなくても…

少し話の本筋からそれますが、多目的トイレで、車いすの方を連れたヘルパーが、中から出てきた女性に、嫌味を言ったのを見た事があります。女性が「私も少し足が悪くて」と言うと、ヘルパーは「どこがやねん。こっちは障がい者連れているんやぞ」と言い返しました。障がいの当事者でもないヘルパーが勝手に暴走したケースですが、何も言わない障がい者を盾にして、ヘルパーが当然のごとく多目的トイレの権利を主張するのは早合点な気がしました。

確かに車いすの方は多目的トイレが必要です。しかし本来の多目的トイレの整備目的としては、高齢者の方で足が弱っている方や、妊娠中の女性のためのベンチ、内臓疾患者(人工肛門や人工膀胱の方)の人用にオススメイト、乳幼児を連れた方へのオムツ交換の為の設備があるのです。そういった方にも利用出来るようにしている為、多機能化しているのです。優先すべき方が利用しやすいマナーはありますが、私から見れば、ヘルパーの知識不足だと思いました。

配慮はしますが、遠慮はしません

障がいがあるからといって、勝手に支援員がすべて配慮してくれると思う利用者の方がいるのも事実です。「もっと病気の事を知って配慮して下さい」と言った利用者の方がいました。病気を知らないからと言っていましたが、病気の事を知ってもらうと言うより、「私の病気の症状を聞いて配慮して下さい」と言った方がいいのでは?と思いました。

同じ障がいや病気でも、人によって出る症状は様々です。自分の症状を伝える事で、支援員も対応出来ますし、ただ障がい者だから、病気だからと配慮を求めるのは、私は、障がい者と言う権利を行使するだけになると思います。自己理解してしっかりと説明できる様になる義務を果たす事も必要だと私は思います。

いざ私が障がい者になって

私が障がい者として生きて行くようなった中で、ふと目にしたことがあります。知的障がいの方が、バスに乗る際に割り込んで乗って行きました。誰も注意しません。関わりたくないのか、落とした定期券も見て見ぬふりです。定期券を拾って、届けた際に少し注意をしました。注意して伝わるかどうかは別です。しかし公共のマナーを知って、守ってもらう事も必要だと思います。障がい者だからと、腫れ物に触る様な対応では、本当のバリアフリーになるのでしょうか?特別扱いは、ただ壁を広げるだけで、障がい者本人の為になるとは私は思いません。

前職での経験でしょうか?ヘルプマークを付けているからでしょうか?障がい者の方に時間や日付を聞かれたりする事が、移動中にあります。上手く話せない方でも、フレーズから聞き取り答えるのですが、福祉の経験が無い方は戸惑うと思います。私も経験があるからと言って、全ての事に対応出来る訳ではありません。聞き取れない事は、何度も聞き返します。反応を見たりして、相手の意図を組み取れる様に出来るだけは対応しています。私の考えでは、結局の所人と人との付き合いだと思います。障がいが無くても話すのは苦手な方はいると思いますし、障がい者でも人と話すことが好きな人もいると思います。(私が支援していた知的障がいの方は、話すことが好きでした)

まとめ

私が障がいの当事者として思う事は、配慮と遠慮は違うと思いました。公共の場で騒ぐ若者を注意する様に、同じ様にルールを守れない時は注意することが大切だと思います。仕事においても配慮してほしい事柄を整理するのは、私たち障がいの当事者であって、伝える事で初めて配慮してもらえると思います。障がい者も支援者も、同じ人間として生きて行く、と言う意識がまず必要なのではないかと私は考えています。そうす事で、本当の意味でのバリアフリーになると私は考えています。

参考文献

多目的トイレのマナーをしってね!・<ゆびぷら>ユニバーサルデザイン/バリアフリー ぷらざ
http://ud-shizuoka.jp/ubpla/index.html

木場 新太

木場 新太

25歳の時に適応障害を発症。その後33歳の頃に不安障害やうつ病になり、障がい者手帳を取得して現在は就労移行支援事業所に通いながら、長期就労とメンタルコーチになることを目指して日々奮闘中です。

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