「障害があるように見えない」これ、マナー違反です

暮らし その他の障害・病気
unsplash-logo Fabrizio Verrecchia

いつの世も「マナー」というものは、円滑なコミュニケーションを促し互いの軋轢を防ぐために有効な暗黙の掟です。出会って数秒で波風が立つ可能性を最小限に抑えるため、様々な対人マナーが陰に陽に広まっております。

最近は「マナー講師が食い扶持のために創作した嘘マナーではないか?」と勘繰られるケースもあり、マナーについて猜疑心のある意見も出ています。「お祝い返しに緑茶は失礼」などと存在しないマナーをでっち上げて炎上するケースは実際にありました。

その動きからか、「マナーの押しつけはマナー違反だ!」というカウンターワードも生まれつつあります。しかし、本来の目的で存在するマナーまで蔑ろにしていては波風立たない生活など望めません。そこで、障害者にも身近なマナー違反を中心に実例を紹介しましょう。

「障害者には見えない」

とくに発達障害持ちにとっては極めて身近なマナー違反です。「障害があるようには見えない」「普通だと思うけどなあ」と、元気づけるつもりで言っている人が多いのですが、発達障害当事者の間ではまさに賛否両論の言葉となっています。

クローズド就労など合理的配慮の期待が出来ない場所だと、発達障害持ちは定型発達に追いつくために服薬やSST(ソーシャルスキルトレーニング)など様々な工夫を行っています。オープン就労でも合理的配慮の範囲を限定する必要があるため、定型発達には必要のない訓練などをしているのが大部分と言っていいでしょう。

定型発達へ追いつくために心身的なリソースを割いている中、「障害者には見えないな」と言われると、「努力が認められた」というより「こっちの苦労も知らないで」と思われるリスクがあります。酷い場合は「この人は『障害を言い訳にするな』と言ってくるタイプだな」という人物評すら受けてしまいます。

「見た目若いね、学生さん?」

「若く見えるね!」という文句を社交辞令やお世辞として使うのも、相手によってはただの悪口になってしまいます。具体的には男性に対して言わない方がいいでしょう。

なぜかというと、相手には「侮られている」「幼いと思われている」と受け取られかねないからです。実際に童顔のアラサー男性について「年相応の苦労をしていない=人間性が未熟」と考える人はおり、嫌味に「若い」という単語を選ぶ場合もあります。「学生さん?」とつけば完全に黒で、女性相手でもお世辞にすらなりません。

ただ、アラフォー以上で本当に若く見える男性であれば、社交辞令として機能します。その為には、“見た目”のどこが若いかまで明確に伝えておく必要があります。うまくいけば「アンチエイジングの努力が認められた」と好印象を抱かれることでしょう。

まとめ

今回話したのは嘘マナーや創作マナーの類ではありません。嫌味や攻撃として受け取られる可能性のある発言をピックアップしたまでです。「これはマナー違反ですよ!」というよりは、「電車が駅に着いたら降りる人を通すようにしましょう」というぐらいの話です。

社交辞令を使わなければいけない場面があるかは分かりませんが、褒め言葉や労いの言葉はTPOを間違えれば嫌味として受け取られることには留意したほうがいいかもしれません。

参考サイト

「発達障害があるように見えないよね?だからこそ大変なんだよね」の考え方で救われる発達障害の人たち|ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp

男性に「お若く見えますね」は言わない方がいい?(2014年3月6日) - エキサイトニュース
https://www.excite.co.jp

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

その他の障害・病気

関連記事

人気記事

施設検索履歴を開く

最近見た施設

閲覧履歴がありません。

TOP

しばらくお待ちください